<br />NHKラジオ「ビジネス英会話」の2002年度1年間の放送が収録されたお得な一冊だ。主人公の大滝怜治は日本の製薬会社に勤務しているが、全く畑違いのニューヨークの大手PR会社にヘッドハントされるところから始まり、その後はこのPR会社のオフィスでの会話がテキストとなっている。
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<br />26のレッスンで構成されており、各々のレッスンは4つのパートに分かれているため、合計104のパートが収録されていることになる。これを毎日一つ学習しても3ヶ月以上かかる計算になるが、自分の場合には通勤電車の中で週5日間、1日1パートを勉強することを目標にしたので約6ヶ月を要した。
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<br />レベルは相当高い。通常の学習書には出てこない口語ならではの言い回しが満載で、実際に外資系会社等でビジネスに携わったことがない人は、それなりに英語学習をした人でも自己のボキャブラリーの乏しさに衝撃を受けるのでないかと思う。自分もTOEICでは900点前後は取るが、本書を含めた杉田先生の「ビジネス英会話」シリーズを手に取るたびに実際のビジネスに耐えるレベルには達していないことを痛感させられる。
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<br />このように書くと本書は初級者・中級者には向かないかというとそうではない。本書のコンセプトは、欧米会社の現場を日本にいながら体験して、学習者はこの英語のシャワーを浴びて反復練習することにより実践的な力を鍛えるいうものではないかと思う。従って自分が外資系に転職したり、海外勤務を命じらることが想定できる人は、現状の学習レベルに関わらず即座に本書に取り組む価値があると思う。但し、本書の構成はテキスト英文とその和訳と使用された単語の和訳のみといたってシンプルで、文法や単語の用法に関する説明は皆無なので、それらをキチンと勉強したい人は別な学習書が必要になる。
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<br />また、テキストの面白さも本書の特色だ。取り上げられている題材は、仕事や会社組織に関わる話題は当然として、それ以外にも家族、人生設計、流行など、その時代の米国内のトピックスが実に幅広く取り上げられており、どれも興味深く楽しめる。本書の内容をすべてマスターしようとすると疲れてしまうので、肩の力を抜いて半分楽しみながら続けると確実に力がアップすると思います。
大滝怜治編放送時はよく聴いていました。タイムリーな題材がビニュエットに使用されていたこともあり、効率的に学習ができました。内容が飽きるものではないので、今でも時折取り出しては復習しています。一つのセンテンスを様々な角度から検証し、考え得る同様の表現や派生語を確認していくと更に有効です。CDも付録されているので、コストパフォーマンスも良いと言えるでしょう。
理想を言えば、NHKラジオビジネス英会話を
<br />放送時間通りに聴くことでしょう。
<br />でもそれは現実にはほとんど不可能でしょう。
<br />私はテキストと別売りCDを毎月購入していました。
<br />ところがこの本があれば、
<br />1年分のテキストとCDの内容が全部手に入ります。
<br />トーイックの試験対策に使われる人も多いようですが
<br />すでにトーイックではいい点数が取れる人が
<br />ビジネス会話に慣れるために使うのがいいと思います。
<br />毎日ではないが、ときどき外国人と英語で話す必要があるなら、
<br />絶対にお勧めです。
<br />私も、この本の会話をそのままスモールトークの題材に
<br />使ったりしたことがあります。
<br />アメリカで放送してなくて良かったです。
<br />しててもアメリカ人は聴かないでしょうが。