インターネットのネットワークとしての特性である「ハブ」「べき法則」を分かりやすく解説する本だ。ネットワークの特性を研究することが、ひとつの大きな研究分野であると言うことにまず驚かされる。
<br /> 技術的な知識もほとんど必要としないし(ルータやハブという用語程度)、数式に至ってはほとんど出てこない。しかしネットワークの特性とは何を意味するのか、またインターネットにおける特殊性はどんなところにあるのかと言うことを理解させてくれる。
<br /> 有名な「ケーニヒスベルクの橋」の一筆書き問題からグラフ理論を紹介したり、「六次の隔たり」や「ケヴィン・ベーコンゲーム」でネットワークの大きさを説明したり、「80対20の法則」でネットワークのスケールフリー性を説明したりと、特性を理解させるのに分かりやすい例を用いることで非常に読みやすくなっている。
<br /> 後半ではインターネットの成り立ちから、ネットワークとしての脆弱性とは何かというような解説と共に、今後ネットワークによって受けられる恩恵や、医学や経済社会分野でのネットワーク思考の重要性にも触れているが、やや散漫で付け足し風ではある。しかし経済でのネットワーク思考の実例であるとか、WWWの大きさを議論する段階でWWWの世界がリンクの流れから4つに大別されるという話が非常に面白い。
<br /> 「金持ちはより金持ちに」と言う章で、先行事業者の優位性を覆せる戦略があることを解説しているが、大局的にはハブ的存在である先行者の利益は揺るがないと思う。したがって国家や地域レベルでの「IT格差」による経済成長格差というのが今後の大問題になると思われるが、本書ではそこまでは踏み込んでいない。
ネットワークの科学に関する解説書。
<br />様々な学者が、どのようにネットワーク構造を捉えて研究してきたのかが
<br />書かれている。世界中の誰とも6人で繋がるという「六次の隔たり」は興味深い話。
<br />人のネットワーク、インターネット、遺伝子等の体内のネットワークの話もあり、
<br />科学の読み物が好きな人におすすめします。
よみやすいが主張している中身のわりにやや冗長だ。
<br />・共時的には、集中的なハブをもつ「ベキ乗数分布」
<br />・通時的には、「成長」と「選択」
<br />これが「スケールフリーネットワーク」の生じる前提。
<br />とてもヒントに満ちた一冊です。
<br />但し、タイトルがまずい。安もののビジネス指南書みたい・・・
<br />素直に『新しいネットワークの科学』位でいい。
<br />もしくはずばり『スケールフリー・ネットワーク』とすれば
<br />いいのに・・・
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