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| 親と離れて「ひと」となる
(
足立 倫行
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この本の長所
<br />複数の若者自立支援施設の取材を通して、自立支援施設の多様性(通いのところもある)、苦労話などが生き生きと描かれているところ。
<br />この本の短所
<br />著者の問題意識は少し鈍い。(1)「ひと」となるには、本当に親から離れるべきなのか(一般論としてはそうだろうが、それは産業社会以来のわりと新しい現象ではないか)。(2)なぜ学校や職業訓練をしないのかが明らかではない(つまり、左記の選択肢がなぜ有効になっていないのかについての問題意識がない)。(3)自立支援施設の内容がこれで良いのかについての批判的検討がない(資源ごみの回収や競艇場での屋台もいいが、もっと後の職業につながる訓練内容にならないものか)。
<br />結論―長所星4つ、短所星2つ、全体として星3つ。
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