競馬の血統学―サラブレッドの進化と限界 みんなこんな本を読んできた 競馬の血統学―サラブレッドの進化と限界
 
 
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競馬の血統学―サラブレッドの進化と限界 ( 吉沢 譲治 )

血統を学ぶのに絶好の書である。あまりに面白く一気に読んでしまった。 <br />サンデーの血が飽和状態にある現在をサンデーの大ブレイク前に予言している。常にトレンド血統を創り活性化させるのは雑草血統であった、そして次なる起爆剤を生み出すのは日本ではないか。サンデーの血を受け継ぐ優秀な馬が海外で種牡馬入りしたら…と夢を抱かせてくれた。。

ある血統が飽和に達すると、急速に勢いが衰え、同時に傍流血統から新星が現れる。その歴史を、セントサイモン、ハイペリオン、ネアルコ・・・など、8頭の種牡馬の興亡を通して説明したもの。そのまま読めば、競走馬の血統の歴史を綴ったものであるが、血の飽和の危険性を説いたものとして捕らえれば、世界的に高まりつつ血統の一極集中へ対する警告とも捉らえることができ、色々と考えさせられる内容となる。数いる傍流血統の中で、なぜその1頭が台頭したのかの説明がないなど、すべての疑問に答えているとは言えないが、世界の血統の流れなど、基本的なところは押さえられており、血統に関する入門書として十分評価できると思う。

血統の視点から、競馬の歴史を書いた本である。競馬の面白さは馬券だけではないことを知ることができる。競馬の隆盛を見ながら、次なる主役を探す、壮大な推理小説の中にいるかのようである。

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