海外猫ミステリの殿堂、シャム猫ココ＆ヤムヤムシリーズの２８作目。 <br />元新聞記者にして現在は新聞の人気コラムニスト、口ひげの素敵な中年（失礼、） <br />クィラランと猫との暮らしを取り巻く、ライトミステリシリーズ。 <br /> <br />日々の暮らしの中で事件が起こり、やがて自然と（？）ラストには謎が解けるタイプの <br />ミステリなので、本格推理や探偵小説をもとめる方にはおすすめしないが、 <br />猫好きの方にはぜひ初期作品から読んでみて欲しい。 <br /> <br />田舎暮らしの中の暖かい会話や人間模様、クラシック音楽や古典文学に関する <br />ウィットに富んだ、ユーモアあふれる会話が魅力で、新作が出ると迷わず買ってしまう。 <br />もはやこのシリーズとも長いつきあいなので、読んでいると自分がピカックスに住んで <br />ご近所づきあいをしているような錯覚を覚えるほど。 <br />住居兼納屋で猫たちと静かに読書する午後、ときどき立ち寄る書店、町のイベントにたまに <br />参加、レストランや食堂で親しい友人と楽しい食事・・・定年後の理想の生活はこんな感じ？ <br />と想像してみたりする。 <br /> <br />シリーズも最近は本が薄くなって、楽しみな冗長部分が減ってしまったが <br />作者も翻訳者にもまだまだ続編の刊行を期待したい。 <br /> <br />