これは日本における三国志ものの一番の大作になることが容易に想像でき、私も本棚のスペースを含め、腹をくくりました。
<br />まあどの三国志にもそれぞれ面白さがあり、長さにかかわらず、それはそれでいいんではないかと思ったりもするわけでもありますが...
<br />ちなみに宮城谷三国志の特徴は、他の三国志に比べ会話は少なく、そのかわり思考や行動での表現が多いのに、逆に各武将が生き生きしているのが、さすがといわざるを得ないです。
<br />また各武将の性格も結構はっきりさせているのですが、演技の劉備のように、美化しすぎるというようなタッチでもありません。
<br />さらに宮城谷さんの主戦場である春秋・戦国時代からの引用が多いのも、“ならでは”という感じです。
<br />つまり「なんか新鮮な三国志」なんであります。
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<br />ところで次巻はいつ出ますか?
ついに官渡の戦いで、曹操が袁紹を破ります。第二期刊行のクライマックスです。
<br />人の才能を良く見極め、適材適所に使い、最大限の力を引き出す能力を持つ曹操の逞しさが描かれています。それに対して、人の話に耳を貸さず墓穴を掘る袁紹が対照的に描かれます。袁紹だけでなく、劉表もその決断力の無さで、曹操と対照的に描かれます。劉備は、未だ右往左往です。つかみきれない男として描かれていますが、まるで馬鹿者のようです。
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<br />曹操は官渡の戦いの後郷里に戻り、隠者のような生活を過ごそうとします。曹操の人間味の現れる場面です。このあたりが、作者の描きたい曹操像なのでしょう。
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<br />やっと旧勢力がいなくなり、いよいよ第三期から、「三国志」が始まります。