加納朋子さんの本では、「てるてるあした」が一番好きな作品でしたが、読後はこの本が一番好きな本となりました。
<br />特に表題作の「モノレールねこ」は、読んでる途中では、ある箇所で涙が止まらなくなり困りましたが、最後はさわやかさの残る作品で、本当に心に残る名作だと思います。また、「バルタン、最後の日」も悲しいのだけど、心があたたかくなるような終わり方となっていて、この本の最後を締めくくるのにふさわしい作品だと思います。
<br />本当に多くの方に読んでいただきたい、すばらしい作品だと思います。
加納朋子さんが得意とする「日常の謎」を求めて「モノレールねこ」を手にすると予想を裏切られるかもしれない。
<br />しかし、その裏切りはとても暖かく優しい気持ちにさせてくれる。
<br />表題作「モノレールねこ」を含む8つの短編はそれぞれに家族の過去という秘密をその内に宿しながら「日常の謎」的な解決は持っていない。
<br />時間の中で家族の絆こそがそれぞれが抱えているものを解決していく。
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<br />加納さんのファンとしては「日常の謎」がみっしり詰まった新作も期待しているが今回の作品も心温まる内容で非常によかった。
<br />ミステリーを期待していて違った感動があったので星5つです。