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| 敵対的買収を生き抜く
(
津田 倫男
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帯の「三角合併解禁!」の見出しに、迷わず買った。来年5月から外国企業が日本企業を買収する際に現金を使わず、自社株と買収先株式の交換でM&Aが可能になるため、今後は国内で敵対的買収が頻繁に起こると著者は言う。国内での過去事例と、今後買収が想定される業界事情等の解説や、危機感の薄い国内企業や企業防衛の法整備が不十分な政府に対する警告も簡潔で読み易い。欧米では仕掛けたM&Aに失敗した企業が一番「脆い」と見なされ、逆にM&Aの対象になり易いとのこと。買収側も仕掛けた以上、緻密な戦略と強い意志で最後まで貫徹する覚悟が問われるのだ。「人柄」や「社内政治」だけでも務まった企業経営が大きな転換点を迎えていることを再確認させ、経営のプロを目指す人々を勇気づけるタイムリーな好著。
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