好古30代後半、真之、子規30代前半くらいまでを描いています。
<br />好古についての記述は、旅順攻略が目立つくらいで、
<br />真之、子規の記述のほうがややや多目か。
<br />時代としては、日清戦争と日露戦争前まで。
<br />
<br />子規は、いよいよ病床に高浜虚子という後継者を得、
<br />好古は、この巻の終わりには大佐として司令官に、
<br />真之は、アメリカ、イギリスに留学。
<br />
<br />日清戦争あたりまでは、やはりひとつの山場として
<br />読み応えがあります。
<br />ちょうど山場を超えたあたりで
<br />この巻は、終わることになるわけです。
<br />
<br />ロシア皇帝の話は、話が行きつ戻りつして、
<br />なんだか、読みづらかったです。
<br />
<br />そろそろ子規にも最期が迫っています。
<br />節や左千夫はどう扱われるのか?
<br />次の巻が楽しみです。
サラリーマンのおじさんのバイブルと聞いて、以前から
<br />興味があったが、やっと購入し2巻まで読み進むことができた。
<br />日清戦争から日露戦争への続く、外交・内政と秋山兄弟の
<br />「明」と正岡子規の「暗」の対照が印象的だった。
<br />
<br /> 感銘を受けたところ
<br />
<br />○豪傑を否定し、戦場で本当に必要なのはまじめな者である。p.104
<br />→職場でも実感します。スーパー営業マンは必要ありません。
<br />「当たり前」のことを「愚直に」実行する責任感のある人材の
<br />方が重要です。
<br />
<br />○戦術というものは、目的と方法をたて、実施を決心した以上、
<br />それについてためらってはならない。p.216
<br />
<br />○あしは、あと何百日生きるか知らぬが、生きられるだけはや
<br />らねばならぬことをやる。p.324
<br />→村上春樹の「ノルウェイの森」の中で長沢さんが語った、志
<br />(モットー)を思い出しました。彼の志は「紳士」であることで
<br />した。「やりたいこと」をやるのではなく、「やらなくてはな
<br />らないこと」をやるのが「紳士」だと。地位や志が人を造ると思
<br />いました。
<br />
<br /> p.s.江川達也の漫画「日露戦争物語」を先に少し読んでしま
<br />ったので、小説を読みながらも、好古の顔のイメージなどが固
<br />定してしまった。江川氏は司馬遼太郎の秋山兄弟像にずいぶん
<br />と影響されていると思いました。
日清戦争での、日本の胸のすくような活躍に心が躍った。<p>硬直化した官僚組織の脆弱さ、小国ながらも、ようやく文明社会の一員として勢いよく成長をはじめた組織の強さというものが明瞭に表現されている。<p>この硬直ということはすべての成熟した組織に当てはまるもので、私もある大手銀行に勤めている身であり、痛く感じるところがあった。組織の硬直化ということでは、国も企業も関係ないものだと思う。<p>そして、海軍参謀真之が誕生するまでの成長振り、、、子規の晩年、、、明治男の愚直な眩しいまでの誠実さにことごとく心を奪われた。その後の世界大戦との大きな違いをまざまざと感じさせてくれた。歴史の教科書だけでは学ぶことのできない、重要な史実であると思う。<p>本当に素晴らしい作品です。先が楽しみ。<p>~日本の学校でもこういうものを教えてあげればいいのになあ、まず勉強が楽しくなるような気がするのですが、、、