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| 天と地と 上
(
海音寺潮五郎
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久しく絶版になっていた「天と地と」が復刊された。誠に悦ばしい。凛とした<p>気概を持つ謙信の爽やかさ、東洋的虚無感漂う男のロマン、情景描写の美しさなど、素晴らしさは数え切れない。また、ストーリー展開も合戦有り、忍者有り、美女有りで、息もつかせない。とくに最後の妙高における描写は感動的である。まさに時代小説の傑作中の傑作といってよい。司馬遼太郎の小説(これも傑作ぞろいであるが)とはまた異なる趣であり、面白い。多くの人に勧めたい。
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