まず、地理感覚がさっぱりです。○○河を北へ…とか、○○邑にとか、国名とか、全く分かりません。具体的に小さな地図が必要ですね。読んでて迷子になってしまいます。しかも、荘王とかなんとか、これがまた分かりません。王の名前が、正嫡の長男・次男とかを表す言葉で付けられてるから、同じような王の名前がいっぱーい出てきます。読んでる方は???。
<br /> 確かに、宮城谷さんの本は魅力があります。読み通せた本もあるんですが、今回は下巻の途中でドロップアウトになってしまいました。僕自身の教養不足が問題?って思ってましたが、専門家やマニアでない限りは、そりゃ無理だろうと自己弁護させてください。
<br /> 古代中国マニアの人以外は、読んじゃダメ。小説家という意味で言うと、宮城谷さんは、読ませる力がないから、三流だと思います。
諸葛亮孔明があこがれた中国史上、最高の宰相といわれる管仲の宰相となる以前の若い日、
<br />特に管仲と利害を超えた無二の友情を意味する「管鮑の交わり(管は管仲、鮑は鮑叔牙)」の
<br />鮑叔牙との出会いなど、史実ではほとんど出てこない世界が、ビジュアルに描かれています。
<br />この部分では、明るい陽である鮑叔牙と陰である管仲という対比が宮城谷さんならでは
<br />楽しく読むことができるようになっています。ともすれば、鮑叔牙が主人公ではないか
<br />と思うくらいです。
<br />ただ、宮城谷さんの作品は、どうしてもいつも、苦労して成功するまでに本の2/3ほどが
<br />費やされてしまうため、宰相になってからの話は駆け足になってしまっています。また、鮑
<br />叔牙が、桓公に管仲を推薦してからは、対比という形での描写が減ってしまったのが、
<br />少し、前半に比べると物足りませんでした。
古代中国春秋時代、斉の桓公に仕え、史上初めての覇者たらしめたという偉大な業績よりも、友人同士の親密な交際を表す「管鮑の交わり(管は管仲、鮑は鮑叔牙のこと)」や、三国志演義で、かの諸葛亮孔明が楽毅と共におのれの能力を比べていたとされることでのほうが知られている気がする管仲夷吾、とてつもない功績を残している割に、斉に仕えるまでの前半生のことはあまり詳しくわかっていないのだとか。この不明なことが多い若き日の管仲の姿を描いた歴史小説です。
<br />よくわかってはいないのですが、古代中国を舞台にした歴史小説を数多く発表し、知識も豊富な著者のこと、親友・鮑叔牙との出会いはまさしくこうだったのだろう、作中で語られる管仲の失恋も、実際これに似たことがあったのだろうと思えてきます。よくわかっていないからこそ余計に著者が創造力を駆使し、自由にのびのびと管仲を描き出しています。
<br />ただ、若き日の管仲に主眼をおいているので仕方ないことなのかもしれませんが、桓公に仕えてから覇者に押し上げていくまでが駆け足だったのが残念です。もう少し長くなってもよかったので、キッチリと管仲の生涯を書いてほしかったです。