落ち着いた色の壁や家具によってリラックスできるように,色が精神に影響を与えるというのは何となく分かりますが,色にはそれ以上に秘密があるようです.
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<br />本書によれば,色は味覚にも影響を与えるようですし,目隠しをしていても赤い部屋に入ると血圧が上がるなど,肌で感じるという言葉のとおり見えていなくても人体に影響をおよぼすそうです.
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<br />たかが色だと思っていましたが,こんなにいろいろなことと密接に関わっているとは本当に驚きでした.私の知りたかった内容とは少し違っていましたが,読んで得をした感じです.
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色の力はホントにスゴイ!と単純に思いました。好きな人(片思い)の好みの色や服装をチェックして自分との相性はどうかとか、自分自身の心理状態が着る服の色でわかってしまうとか、楽しく読めました。最後の10ページほどは、なんか難しくて飛ばしましたが(^−^)
「ピンクで若返り!白で健康的に!」
<br />非常に簡素で軽薄なキャッチコピーが添えてあるが、内容は非常に論理的かつ説得力があり充実しています。
<br />内容の多くは生理学的、医学的な根拠や実験から論証されるものが多く、
<br />今まで感覚的に理解してきた色彩効果、嗜好の論理的背景を知ることができます。
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<br />筆者が色彩と同様に多くの項をさいているのが、色彩の波長を作る太陽光です。
<br />太陽光といえば紫外線を含み老化を促すイメージが先行しがちですが、
<br />色彩の産みの親とも言える太陽光の有益な部分を色彩と人体に関連付けて説明されています。
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<br />それらに加えて、世界各地の色彩嗜好にまつわる興味深いエピソードや
<br />日本人の伝統的な色彩感覚にも触れていてとても読み応えがあります。
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<br />ただのカラーコーディネート本などではない、まさに色彩学入門といえる本でした。
<br />これを読むとインテリアやファッションにも新しい観点が加わると思います。
<br />生活の中でただ「色」だったものが読み終わると「彩り」にかわります。