香水―ある人殺しの物語 みんなこんな本を読んできた 香水―ある人殺しの物語
 
 
  ●トップページ   ●研究員紹介 ●研究所規則 ●著作権・免責・リンク ●掲示板 ●更新情報
仕事関連

▼お仕事のご依頼

執筆、取材、講演のお問い合わせはこちらからお願いします。

▼広告のご依頼

MM-Labo.com内への広告のご希望はこちらからお願いします。

香水―ある人殺しの物語 ( パトリック ジュースキント Patrick S¨uskind 池内 紀 )

ページを捲ったとたんに、当時のパリに惹き込まれます。 <br />それも、なんと『嗅覚』によって。 <br /> <br />もちろん小説ですから、正確には「文章によって喚起される嗅覚」なのですが、 <br />おびただしい数の『匂い』の描写が、逃れられないほど綿密に、洪水のように供され、 <br />それらに押し流されるように、小説世界に惹き込まれてしまうのです。 <br /> <br />パリジャンという語感とはそぐわない、日常生活に満ちるおぞましい臭気、 <br />人々の体臭、それらをごまかすために流行る香水の馨しさ、 <br />官能をくすぐる娘の体香、それにより煽られる仄暗い情熱…。 <br /> <br />主人公の異質さや狂気をはらんだような行動の理由まで、 <br />すべてが『匂い』に支配されているのに感心しました。 <br />映画化されるとのことなので、そのあたりを映像でどう感じさせてもらえるのか、 <br />そこも楽しみになる小説です。 <br /> <br />★私の購入ポイント★ <br />1)『香水』、『香りによるフェロモン』などに興味があったから。 <br />2)『匂い』をテーマとする、小説と映像の違いに興味があったから。

 触覚,視覚,聴覚,味覚,そして嗅覚.これら五感の中で多くの人に最も軽視されるであろう嗅覚がこの物語の核となっている.映像ではなく小説だったからこそ,この物語はグロテスクさを高め,読む者の感情を高ぶらせる. <br /> 臭いを支配したジャン=バスティド・グルヌイユが本当に作りたかったものは愛の臭い.これが完成したときに物語は静かに,そして残酷に終りを迎える.

クラシカルな技法で現代に「小説」を復活させた <br />ドイツの作家、パトリック・ズュースキント。 <br />(本書ではジュースキントとなっているが、ドイツ語の <br />発音としてはズュースキントの方が近いだろう) <br />本作は氏の代表作であろう。 <br /> <br />『コントラバス』や『鳩』に比べると、 <br />そのロココ的装飾・豪華絢爛さは <br />とても同じ作家の手によるものとは思えないほどだ。 <br />本家本元の欧州で書かれたこの退廃的耽美的作品は <br />とても欧州外の作家には望めぬ質の高さを誇る。 <br /> <br />ただこうした世界が好きな人は好きだろうが <br />そういう読者と、ドイツ文学好き・他のズュースキント作品好きな読者が <br />用意に並立しないところが、本書の評価の難しいところではある。

香水―ある人殺しの物語 ↑ご購入はこちらからどうぞ。
香水―ある人殺しの物語&nbsp;&nbsp;&nbsp;舞台は18世紀のフランス。町は汚穢(おわい)にまみれ、至るところに悪臭が立ちこめていた。そこに、まったく体臭のない男がいた。男にないのは体臭だけでない。恐ろしく鋭い嗅覚と、においへの異様なまでの執着以外に、男には何もなかった。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;物語は至高の香りを求めて、めくるめくにおいの饗宴が繰り広げられる。ドアノブのにおい、石のにおい、花の香り、動物のにおい、果ては目立たない人のにおいに至るまで、ありとあらゆるにおいが立ちこめる。登場人物も、究極のにおいの美少女以外は、主人公も含めて恐ろしくグロテスクである。まさしく魑魅魍魎(ちみもうりょう)。裏道、闇、疫病、屠殺、汚濁…にもかかわらず、なぜ本書からは恐ろしく魅惑的な香りが立ちのぼってくるのだろうか。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;パリには複雑で洗練された味わいがベースにあるように、生ハムやチーズのすえたようなにおいが鼻を突いても、この町で、人を引きつけてやまない魅力がグロテスクなのかもしれない。ストーリーも舞台も登場人物も、実に巧妙に展開している。一度手にとるとテンポよく、一気に読んでしまう。読者は主人公とともに限りなく奥深い嗅覚の世界をさまよい、陶酔させられることだろう。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;著者は1949年ドイツ生まれ。本書は87年世界幻想文学大賞受賞作品。ほかに『コントラバス』、『鳩』、『ゾマーさんのこと』などが翻訳出版されている。(小野ヒデコ)
管理人の書評: 僕はこんな本を読んできた。 はこちらからどうぞ。
| ビジネス・経済 | 金融・経営 | 漫画・アニメ | 文学・評論 | 科学・技術 | 人文・思想 | アート・建築・デザイン | 社会・政治 | ノンフィクション | 新書・文庫 | 旅行ガイド | ホビー・スポーツ | エンターテイメント | タレント写真集 | 歴史・地理 | 医学・薬学 | 資格・検定 | 暮らし・健康・子育て | 語学・辞典 | 参考書・受験 | 子供向け | 楽譜

香水―ある人殺しの物語