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ガセネッタ&(と)シモネッタ ( 米原 万里 )

厳しいレヴューが多いようですが、僕としてはこういうライトエッセイも米原万里に多く書いてほしいと思う。「不実な美女・・」や「魔女の1ダース」などに比べると(米原万里のエッセイとしては)物足りないと感じる人もいるようだが、このレベルの内容でしかも読みやすい、という点は評価してよいのではないか。僕は、これは手抜きというよりは意図した結果だと思うし、このようにトーンが異なるものを書けるという点に逆に感心したのだけれど。最後の方に「ピオニール・キャンプの収穫」という短いエッセイがあります。非常に美しいエッセイで感動しました。

あっちこっちに書いたものの寄せ集め。2~3ページの話しが多いので読み易いと言えば読み易いが、その時々の気分で書いたものを掻き集めただけなので、よく出来てるのもあれば手抜いた感じのもあるし、天狗になってんの?みたいな印象を受けるところはあります・・・。まあ、ロシア語通訳界の女王様ですから、仕方ないと言えば仕方ないけど。<p>ただ、米原万里を知るにはやっぱり書き下ろしがお奨めですね。そちらのほうが断然読み応えがある。精魂込めて書いた本か否かの違いでしょうが・・・。

「不実な美女か...」が面白かったので、同じ著者の本を手に取ったが、正直がっかり。前著が深みのある内容なのに対して、こちらはだいぶ荒くなったな...という感じ。もっとペースを落として暖めて書いて欲しい。

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