90年代後半に財務官を務め、為替介入を含め為替の安定化に貢献した榊原氏の著。
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<br />基本的な為替の考え方、為替の変動要素、予測の可能性などについて、経済理論の発展の側面と、また逆に現実的な話・エピソード(ソロス・サマーズ等についての話)を用いながら、著者の視点を中心に説明を展開していく。
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<br />経済についてあまり詳しくない人でもわかるように書かれており、読みやすい。
・理論を知っているだけではダメだが、理論を知らないのは話にならない<br>・本や公式に発表されているグローバルな情報と、実際に自分が会って話す中で得られるローカルな情報の2つが必要<br>・そういった情報を得られるようにするための人脈作りが重要<br>・情報の漏洩をいかに管理するかが、自分の行動で周りにインパクトを与えられるかの鍵<p>といった、現代の「情報戦」において欠かせない点を、自身の財務官としての経験から為替を通じて分かりやすく説明してあります。<br>『情報は無料ではない』<br>ということがよく分かる本だと思います。
初めて読む為替分野の本としては,ちょうど良かったと思います.<br>為替の話だけでなく,他者との直接対話や,マクロとミクロの視点のバランス感覚や,情報管理(隠し方と流し方)の重要性,あとマスコミ批判などもあり,個人的に合点を得ながら読み進められました.<p>中学3年生(公民科が始まるのって今でもこの頃?)ぐらいでも十分に興味を持って読める内容だと思います.