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| 転がる香港に苔は生えない
(
星野 博美
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旅行で豪華なホテルに「滞在したい」けれど街に「住みたくはない」香港。
<br />留学した上でさらに部屋を借りてほぼ定住。しかも返還時期をはさんで。
<br />厳しい体験をしながらも、目線が現地の人と同じ高さで暖かいルポ。
<br />生活感も漂い、あの独特の臭い(下水、香草、体臭)まで漂ってくる。
<br />読み応えあり。著者の一連の作品を読みたくなる。
<br /> 衝撃を受けました・・・日本人でここまで深く見聞きした上で本業は写真家であるのに文章として完成させていることに。私が見た香港は本当に上っ面なのだと思い知りましたが、自分では決して見ることのできなかった街、人をいきいきと描いていて、もう一度旅行し、堪能した気分になります。辛口、シャープ、でもドライではない。 なんとも言えない魅力にあふれ何度読んだでしょう。そして読むたびに旅をし、楽しいだけではない心の疲れも感じ、日常から完全に外れることができます。香港返還前後の事なので、その後の転がり続けた香港をぜひ書いて欲しいです。
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