(パラレルワールド的な要素のある本作について比較するのは良いとは思えないが、)
<br />映画よりも本作の方が大変丁寧に書かれており、ナウシカの世界観を満喫できる。
<br />まず、本作は非常に登場人物が多く、映画では観られない政治状況の複雑さや心理描写がうまく描かれている。また、映画では神秘的な生物である王蟲の存在意義や発生経緯などが事細かく描かれている。他にもナウシカの世界を理解するための要素が多数ちりばめられている。
<br />真のナウシカ世界の理解には本作のシリーズを精読することが必須であろう。
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高校生の頃ナウシカと出会い、1冊1冊、単行本が出るのを待ちわびながら読み続け、やっと出版された最終巻。
<br />最初はナウシカとの別れが辛くて読めませんでしたが、覚悟して読み出したら、今までとは打って変わって急いで幕を引きにかかった展開に愕然としてしまいました。
<br />(絵はアシスタントが書いたの?と思える位、雑になってるし・・)
<br />本より映画かぁ〜と、疑心暗鬼になりそうですが、ちょっと待って!!
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<br />ここまで強いナウシカは、やっぱり最後ならではだし、はしょった分の謎解きも、これまた宿題のようで楽しいですよ♪
<br />(宿題といっても、答えはないけど・・。ま、人生も、何かと積み重ねて生きてく割に、終わりは突然やってくるしね。)
<br />いずれにしろ未来を決め付けない終わり方は、答えを人それぞれの考えに任せた終わり方なのかなーと、思っています。
<br />ホンと、考えさせられる漫画です。
宮崎駿がどれだけ沢山の本を読み、自分の深く鋭い頭で学んで考えてきたかがわかります。ただ単に本に文章に読まれるんじゃなく、自分で判断して言葉の意味や何故そうなのかなど考えていた好奇心、感受性豊かな人だと私は思えました。それだけじゃなく、普通の人とは物の見方、考え方がまるで違う!わざと読みにくく漫画を描いていて、何度読んでも考えさせられる内容です。今、誰でも見やすく描かれ現実とはかみ合わない、表面だけの薄っぺらく人気が出るように創らされたものが多い中、久しぶりにいいものに出会えました。