前著・「佐賀のがばいばあちゃん」の続編である本書
<br />たしかに前作と重複する部分が多々あるが、それは御愛嬌というものだろう
<br />こういったことを御愛嬌で済ませられる程に本書には一読の価値がある
<br />
<br />ある日、新聞の自殺者の記事を見たばあちゃんは「贅沢もん!」と真顔で怒った
<br />そして「世間に見栄をはるから死ぬ。うちはうちでよか」と
<br />私は、この人は本当の意味で強い人であると思う
<br />またその一方で、私を含め多くの現代人がなんてひ弱なのだろうとも・・・
<br />
<br />「金、金と言うんじゃなか。一億あったって金魚一匹つくれんばい」
<br />私の胸に突き刺さった一言
<br />どれ程に自分の外面を着飾って自分を強く大きく見せようとも、裸にしてしまえばちっぽけな何もできないただ一人の人間である
<br />取り繕った自分ではなく、素のままの自分に誇りを持てるようにすることが何よりも大事であることを改めて教えられたような気がする
<br />誇りと驕りは違う・・・
<br />
<br />前作同様、本作でもがばいばあちゃんの凄さは存分に味わえる
<br />ばあちゃんは”明るく正しい生き方”を教えてくれる真の教育者といってよい
<br />その意味で、下手な理論家が偉ぶって書いた教育書なんか読むよりも、本書を一読されることで得られるもののほうが大きいと私は断言する
<br />
<br />著者の朴訥な文章は決して上手いといえるものではないが、胸に沁み入るような”温かさ”がある
<br />非常に読みやすいので、子どもから大人まで是非多くの人に肩の力を抜いて読んでいただきたい!
<br />きっとがばいばあちゃんはあなたにも何かを与えてくれるだろう
『佐賀のがばいばあちゃん 』の続編。
<br />続編といっても続きの話ではなく、佐賀で暮らしていた話がメインである。
<br />
<br />『佐賀のがばいばあちゃん』で描ききれなかった話や人物が多数あり、とても楽しめた。
<br />前作と少し重複する部分があるが、逆に重複するため読み手の想像する「がばい」世界をよりいっそう広げてくれる。
<br />
<br />やはり今作品もがばいばあちゃんに笑わせられ元気づけられ、そして涙させられる。
<br />
<br />『佐賀のがばいばあちゃん』を読んだ人には是非この本もよんでもらいたい。
前作「佐賀のがばいばあちゃん」を読んでいなくても楽しめるように、ばあちゃんやその家族を取り巻く環境が説明されている。このため、本書から読み始めても充分楽しめる。
<br />
<br />本作品もばあちゃんを中心に繰り広げられる洋七氏の幼少期の日常を面白く綴った内容であるが、前作に比べばあちゃんの価値観やものの考え方に共感する内容が多かった。
<br />
<br />例えば、ものは見方を変えれば苦しみも楽しみに変わるということで、2時をさして止まってしまった時計をみて「1日に2回は時刻が合っているのだから大丈夫」という前向きな考え方はとても深い意味があると思う。
<br />
<br />こうしたお年よりの言葉や物の見方は孫の世代に与える影響が大きいものである。実際、かつて我家は3世代同居世代で祖父母から多くを教わったが、今でも心の中に大きな価値感として残っている。このため、最近の核家族の増加というのは、それ自体がやや問題ありという気もした。
<br />
<br />娯楽的な内容もかなり多く含んでおり、広い年齢層で楽しめる1冊だと思う。