●人物事典が大部分です。
<br />●自分の確認した範囲では完全に網羅していました。かなりマイナーな人物も引いてみましたがきちんと記述がありました。
<br />●事典の解説はかなり客観性を意識しています。度の過ぎた思い入れがない淡白な記述です。
<br />●人物相関図等も出来れば掲載して欲しかった、見通しがよくなり面白いのですが。それが無理ならばある人物の項目に参照として別の人物を添えるなどの工夫でも良いと思います。
<br />●もう少し記述が主観的でも良かったのではないでしょうか。客観的な記述と読者代表の評を併記すれば深みが出たかも。主要人物に限ってでもいいので改訂があればお願いしたいです。
<br />●誤植や役職の間違いがいくつかありました。
<br />●年表戦史をもう少し充実して欲しかったです。出来ればそれに関連人物を添えれば事典と相互に読み比べられるのでもう一度振り返るときに便利です。
<br />●後半の書評・感想は文庫の解説と同一です。書き下ろしではありません。
<br />●作者自体の意見はあまり引き出せていなかったですがしかたありませんね。
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銀英伝の人名辞典は過去にも出されていますが、この本は内容の所にも記されているようにデュアル文庫版に対応して再編集されており、人名辞典や年表のみならず、複数の小説家や漫画家の方々による解説と鏡明氏および田中氏と同郷の作家である梶尾真治氏との対談も収録されています。個人的には今までに出された銀英伝関連の副読本の中では一番のものだと思っています(また個人的な理由として好きな漫画家である道原先生の秀麗なイラストがカラーで収録されているのもありますが)。<br> 文庫サイズ(といっても普通の文庫本よりは幾分大きいですが)でこのボリュームというのは実にお得です。解説及び対談も読んでいて結構面白く感じられますので銀英伝ファンなら手元に置いておきたい一冊です。
人名禄は当然のように完備されてますし(この手の作品としては当たり前のことか)、嬉しいことにそこに各人のイラスト(描かれている人だけ)がついています。さらに、帝国・同盟・フェザーンの三視点から年表が書かれていて、「あの会戦…何だったけ?」なんて時にとても役立ちます!会戦時においては何日に戦局がどう動いたかまで明記されています!対談や他作家のコメントも読み応え充分です。