シグルイの7巻が、発売されると聞いて、これは買い逃さないようにと、予約しました。前巻は何故か買い逃して、書店にその後全然入らなかった記憶があります。
<br />今回の7巻では、正常とご乱心の間を行ったり来たりしていた、虎眼様は、一太刀あびて、別ものの骸となってしまいました。まことに、さびしい限りです。
<br />このストーリは、尋常から外れた、怪しげな行動を頻繁に見せる、虎眼先生や、ちゅぱ左衛門など、味のある演出を醸し出している人物がいてこそ、作品に厚みを持たせていたように思われます。その貴重なキャラクターも、山口先生は、予告なしに、物語の中で、コトゴトク、惨殺してしまうという、思いっきりさ。もうこれは、残酷さとか、悲惨さとかを感じさせることのない、あらかじめの、お約束になっているようです。
<br />いよいよ、これから開始されるであろう、頂上決戦に向けて、重々しい関係者の心理、行動、修練を、この7巻でジックリ、習得して、8巻に挑むべし。
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何となく盛り上がらない7巻は、藤木のエピソードが中心。
<br /> 次巻の伊良子との対決を盛り上げようとしているのは分かるのですが、巨星たる虎眼先生の喪失は如何ともし難いといったところ。
<br />竹槍のエピソードなど強烈ではあるのだけど、ヤング虎眼の柳生とのエピソードなどを知っている後では、インパクトが弱すぎます。
<br /> いや、本当はそんな事はないのだけど、それだけ虎眼先生が偉大だったということですね。
<br /> まことに惜しい人物を失い申した喃。
世間を揺るがしているサムライ漫画の新刊。
<br />“掛川の虎”虎眼が清源に討たれた直後から話は始まる。
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<br />お家の危機に陥る岩本家・虎眼流の静かなる仇討ちへの決意、
<br />復讐を遂げたはずの清源の心に刺さる小さな刺(とげ)……。
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<br />前巻までの酸鼻な展開とは打って変わって、
<br />互いの陣営の胸の奥にチラチラと燃ゆる小さな焔は
<br />背筋に冷たいものを覚える描写となっている。
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<br />大いなる嵐の前を感じさせる、眈々とした静かな描写、
<br />こういったタメが出来るのも実力のうちです。