小学生の教科書としても使える良書と聞き、ぜひ娘に読ませてみたいと早速購入した。結果はというと9歳の娘には難しい内容だったようだ。彼女が興味を示さないので、自分で読んだ。
<br />3回読んだ。はじめは、いつものようにざざっと読み、次にはじっくりと。そして3度目は、英語対訳と見比べながら読む。「小学生時代にこの本に出会いたかった」と思えるほど、投げかけられたそのメッセージは、優しく愛情に満ちたものだと感じた。子供たちに何かを伝えるかといったとき、何かに目覚めてもらいたいと感じたときに、この厳選された言葉は引用してみたいという欲求に変わる。新年や新学期のみならず、活力を貰いたいときに読み返す本として絶品だと感ず。
自然を尊敬し大切にする。自分に厳しく、他人に優しく。助け合って生きる。
<br />日本人だけではなく、他民族へのいたわりの気持ちをも自然と持てるように。
<br />
<br />日本の歴史を知り尽くし、国民作家として膨大な作品を残した作家が、
<br />最後にこれからの日本を担っていく子供たちに残したメッセージ。
<br />自然破壊が進み、道徳心も優しい気持ちも薄れてきている今の状況を知っていながらも、
<br />「僕は君たちを信じているよ。君たちならきっと出来る。現に少しずつ良くなってきているではないか。」と、
<br />読んだ人間に明るい希望を持たせ、その気にさせる。さすが司馬遼太郎。
<br />
<br />5年生のわが息子には少し難しかったようですが、
<br />「司馬さんの期待に応えられるようにがんばります。」で結んだ
<br />なかなか良い感想文を書いていました。
<br />司馬さんの気持ちはちゃんと伝わっています。
子ども向けの平易な文章で書かれていますが、司馬さんの思いが、ひしひしと伝わってくるようで、何度も読み返しました。今、子どもたちに必要なのは、強い意志を持って、正しい道を指し示すことのできる大人ではないかと思いました。是非、子どもさんと一緒に読んでみてください。