macco★さんに同感。
<br />読み終わったとき、第一印象は「諸星さんスランプか?」
<br />諸星さんだから過剰な期待をさせてもらったんですが。
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<br />グリムでなくてもいいじゃん、ここまで変えるなら。
<br />結末は力技でねじ伏せた感じ。
<br />結果として「先が読めない」んですが、半端な「結」もあり。
<br />なんか深い意味が隠されているような気もしましたが、
<br />何度読んでも「怪奇と幻想」で終始。
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<br />それなら定本を概ね踏襲しつつも、「いま風」の視点を加えた、
<br />戸田誠二さんの「唄う骨」や「化けの皮」の方が、
<br />ストーリーとしてきちんと着地して面白い。
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<br />「碁娘伝」は良かったんだがなあ。
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<br />諸星さんにとって西洋は料理しにくいのかな。
「諸怪志異」や「西遊妖猿伝」の大ファンな私には少し物足りない気がしました。残酷さが足りないというか…なんというか…。でもどの短編も「さすが諸星氏!よくぞグリムをここまで」と思えるものばかりです。読めばわかる。諸星を語るなら絶対読まないといけないですね、コレは。
諸星作品の最大の特徴は、後を引く読後感だと勝手に思っている
<br />のですが、久しぶりに特大の読後感ってやつを味わいました。
<br />よく知られているグリムを題材にしているのも手伝って、ある時は
<br />荒涼として、ある時は清涼感をも運んでくる作品の連続。
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<br />生まれて初めて暗黒神話で諸星作品を読んだ時に感じた、
<br />「良いもん読んだな」と得した感じにさせる本です。
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