自分の処方されている薬に、
<br />どんな副作用があるのか知りたくて購入しました。
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<br />しかし、内容は専門用語のならぶ副作用解説であり、
<br />とても患者および家族などが手にして理解出来る物ではありません。
<br />明らかに、医者や医学生など、医学関係者に向けて作られた本です。
<br />そう考えて中身を見ると、非常に丁寧な構成である良い本だと思われます。
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<br />抗精神薬を服用している患者やその家族の方には、
<br />「こころの治療薬ハンドブック」(青葉安里 著)の方をオススメします。
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抗精神病薬の副作用として錐体外路症状はよく知られていますが、近年発売された非定型抗精神病薬の脂質や糖質の代謝異常の副作用に関しては精神科医でさえ詳しく知らない人の多いのが現状です。精神科医は精神面の副作用には十分な注意を払いますが、身体面には意外と無頓着です。この本では、抗精神病薬による肥満や突然死、最近話題のメタボリックシンドロームの危険性などについて詳しくかつわかりやすく解説されています。また、作用機序なども理解できるように工夫されています。今まで、抗精神病薬の副作用に焦点をあてた本は少なく、身体面の副作用を説明している本はこれが本邦初といってもいいでしょう。精神科医はもちろん、プライマリケア医や処方されている患者やご家族の方にも読んで欲しい優れた本です。