童話を読みながら「責任」とは何かを知ることの出来る名著。
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<br />日本にいると責任というのはなかなかわかりにくいものです。日本でわかっていてもと海外に出ると、ずいぶん意識が違うものだとびっくりするものです。
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<br />それをこの本は実にわかりやすく解説してくれます。原因と結果があり、その上で社会をよりよく、適切にしなければいけないとの前向きな考えから生まれた、いわば「必然」が責任だということがしみじみと理解できます。
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「わたしのいもうと」とセットで読むと、
<br />いじめられる側といじめる側の心理が浮き彫りにされて
<br />現実が、より心に迫りくる本。
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<br />いじめられ、叩かれ、泣いている子を前にして、
<br />その他のクラスメイト全員が、自分のせいじゃない、と自己弁護する。
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<br />「そんなことはない。あなたたち全員がやったのと同じなのよ。
<br /> 皆と同じことをしているからといって、
<br /> やっていることが免除されるわけではないの。
<br /> 一人で止められなければ、助けを借りて止める努力があってもいい」
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<br />「わたしのいもうと」のすぐ後に読んだので、こうつぶやきながら
<br />思わず、この本を机に叩きつけてしまった。
<br />こころに訴えかける本である。
誰でも一度は思い当たりのあることだと思います。<br>みんなでしてれば、一人の罪が軽くなるようなそういう錯覚。<br>その責任の重さを感じさせてくれる絵本です。<br>自分の行動が他人に与える影響の大きさを感じ取って欲しいと思い、<br>子供たちに贈った絵本です。<br>私自身も考えさせられました。