バリュエーション(企業価値)による評価を基礎とするものだが、計算方法は簡単で、しかもその根拠が非常にわかりやすく書かれている。ただ、評価は現在の価値なので、これに将来性をどのように加味するかが難しいところ。それについても、成長する理由を見出す方法をいくつか紹介している。株価が上がる理由や、簡単ではあるが、投資家がはまる罠についても踏み込んでおり、網羅的。
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<br />入門書を卒業したら、この本を早めに読むことをお薦めします。
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というツッコミを、バリュー投資という単語を知ってる人なら入れたくなるだろうけど
<br />日本人の投資知識のレベルを考えれば、言いすぎではないと思う
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<br />内容は、シンプルでわかりやすく、そして不足感もない
<br />投資暦関係なく是非オススメしたい一冊
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<br />また、この本は図表が効果的に使われているのも特長
<br />自分が特に感銘を受けたのは「因果のマトリクス」の図
<br />財務諸表はあくまで過去の結果に過ぎない。それを生み出す原因であるビジネスを見なければいけない
<br />つまり、数字だけをこねくり回していてもダメだよ、ということ
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<br />注文をつけるとすれば原因であるビジネスの分析がもうちょっと欲しかった、というとこ
<br />この点に関しては次回作に期待したい
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<br />あと、著者がwebサイトを運営しているんだけど
<br />この本で提示してる「ざっくり企業価値評価」による企業価値が、3000社分(!)無料公開されてる
<br />ってこれ無料公開しちゃって良い代物なのだろーか・・・
企業価値と言うと難しい計算式を用いて
<br />何だか実感の湧かない数値が出てきがちですが
<br />本で紹介される5分で弾ける株の価値では
<br />シンプルなのに実践的な値がでるので自分も実際に取り入れています。
<br />この際、エクセルで自作の計算シート(千円と百万円)を作成しておくと
<br />5分もかからずに企業価値を暴き出せて便利です。
<br />あとはこの計算式から自分の好みにカスタマイズしていけると
<br />個人投資家としてより明るい未来が約束されるでしょう。
<br />本の内容に触れない範囲で言うと
<br />そもそも初めから株主資本比率を高めにスクリーニングされているなら
<br />期待利回りを8〜9%にして事業価値は営業利益の6〜7倍に変更したり
<br />財産価値からたな卸資産を引いてみるのも有効でしょう。
<br />そして本では企業価値の計算だけが取り上げられがちですが
<br />第4章以降の定性分析がこの本の本質な気がします。
<br />つまりこの本一冊で初心者から上級者まで読む価値のある本に仕上がっているのです。
<br />ながく手元に置いておきたい非常に素晴らしい良書です。