著者の木下氏の講演を聞き、名刺交換した際に著者本人から薦められた本である。
<br />文章は非常に平易な言葉で書いてあり、すいすい読める。
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<br />要旨は以下のとおり
<br />・集団の知恵の集結と言える「市場平均」を頼りにする。
<br />・売買の加熱度を推し測る「騰落レシオ」を活用する。
<br />・投資すべき業界は「小売」「不動産」「金融」。
<br />・これらを実践しようと決断できる人はあまり多くない。
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<br />全体を通じて、事実をもとにした分析に基づいているため、納得できる内容である。
<br />著者が薦める投資法を採用するかどうかは別にして、読んで損はない本である。
著者は前作(『誰もが株で幸福になれる黄金の法則51』 )での分かりやすい投資の切り口や、メルマガでの時事ネタの読み方など私たち個人投資家にとって、たいへん親しみやすい存在です。
<br />今作では個別株投資は上級者向けと言い切り、巷にあふれる「誰でも・・」「○億円に殖やす」などの著作とは異なり、最大公約数的な投資の知識・コツに加え、本当の「投資」を教えてくれます。
<br />特に、(1)株式市場の動向(2)分析手法(3)売買タイミングを「これだけ知っていれば大きなアドバンテージになる」と言い切り、軸のぶれない投資姿勢を示しています。市場平均(日経平均)を上回ることはファンドマネージャーですら難しいのであり、圧倒的に情報量の劣る我々は、いかにリスクを減らしながら、(4)時間を味方につけつつ殖やしていくかについて書かれた良書です。
<br />この(1)〜(4)の知識をもとに、自分なりのポートフォリオ作りで、日々の株価に一喜一憂することのない投資スタイルを実現できそうです。