山田悠介さんの本を読むのはこの「DUST」が初めてでした。ダスト法の着眼点の面白さに惹かれて読んでみました。少し内容が薄い部分があったのが気になりましたが、全体的にはいい作品だったと思います。
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<br />山田悠介さんのほかの作品も読んでみたくなる一冊でした。
この小説の評判は中々のようです。しかし、コレは今までの山田悠介氏の作品とは異なる点があります。山田氏の作品はほぼ『サバイバル』で、この作品も同じくサバイバルなのですが、コレはまた違ったジャンルのサバイバルです。例えば、リアル鬼ごっこなら『逃げる』がテーマだったり、主人公が何かを必死に頑張っている姿が見られます。他の作品も同等です。しかしダストの場合、主人公が『生きる為に食い物を探す』というだけの……現実のサバイバルです。故に迫力が過去の作品より、かなり劣っていたと言えます。島でのサバイバルも、ただ単にグロいだけだったりします。
<br /> そして、この作品を読む限り、主人公たちは『非常識者』でした。まず、島に棄てられるのは『ニート』か『浮浪者』である。主人公は前者です。この時点で既に非常識者だ。
<br />更に、『親に免財金を払ってもらえば、国から棄てられない』と設定上定められており、主人公は親にその金を払ってもらえなく、国に棄てられた。その金を払ってくれなかった親に対し、主人公は『あんなやつはもう親とは思っていないよ』と洩らしていた。コレは単純に主人公の精神年齢が幼稚なだけであり、そんな奴に一般人が共感できる訳がない。正直、読んでいて苛々するだけである。
<br /> それから、島から出た後、国から職場(流れ作業)をもらうのだが、それに対して『酷い。酷すぎる』とか、その類の事を言っていた。そして、流れ作業の途中、怠けていた主人公に対して国の連中が注意を出すと、(アイツらは俺らをいじめて楽しんでいるんだ)と、主人公が心の中でつぶやいていた。他にも色々と非常識な点はある。作者の気持ちが理解できない。
<br /> という様に、今回の作品は、自分としては今までで一番最低だった作品であると感じているし、作者のイメージも上の上から下の中くらいまでダウンした。読まない事をお勧めする。
ダスト法という法律というのは面白かったんですが、内容が軽い感じがしました。
<br />もう少し500日間の事を描いて欲しかったし、主人公を美化し過ぎとも感じました。なので星は2つです。