「おぞましい二人」などと同じく
<br />線の細かい挿絵と簡潔な文章は変わらないスタイル。
<br />
<br />だけど、この本に出てくる主人公の女の子は、悪い子でも精神異常者でもない。
<br />裕福な女の子が、次々と悲惨な目に遭って行く。
<br />
<br />挿絵の顔は、楳図かずおのマンガのよう。
<br />どのページの絵にも、トカゲのような魔物が描かれている―探したらあった。
<br />
<br />なんの目的があって、こういう絵本を描くんだろう。
<br />「わぁこわい」ってビックリするため?
<br />そんな薄っぺらいものじゃない気がするんだけど…。
これは、不幸な子を描いた、不幸なお話絵本です。
<br />例えば、主人公の女の子が地下に監禁されてしまう部分。
<br />もちろん監禁中の一切の描写はされていませんが、何となく行間(ページ間?)の状況を予測してしまう怖さがあります。
<br />この子は、ページとページの間にも、我々の知らない不幸を体験しているのではないか?という怖さです。
<br />そうして我々の想像の中で無限大に肥大する彼女の不幸は、圧倒的に不幸な結末によって、淡々と、話は結実を見ます。
<br />我々は彼女の不幸を、悲しめばいいのでしょうか?笑えばいいのでしょうか?
<br />そんな不思議な絵本。
読んでみたらタイトル通りだなと思うけど、ページをめくる度 想像以上に不幸だった。まだ?!いつまで不幸なの?!何故作者はこんなに酷い本を書いたんだろう…と思います。少し今の時代(日本)では有り得ない場面があって以外にも笑ってしまった…。これは作者の頭が考えた話だけど 実際にありそうな感じがする話しです。