しずかてつひとは1960年(群馬県前橋市)生まれ。東外大を卒業後,研究生修了(84年)。就職浪人か? 大妻中高,大妻多摩高校,福島高専で15年間の英語教師を勤めた後,関大(総合)勤務を経て,コロンビア大学ティーチャーズカレッジ(英語教授法修士課程)修了(MA in TESOL)。PhD(レディング大学,00年)。言語テスト論。高等学校英語の文部科学省検定教科書の編集に参加。日本での指導教官は若林俊輔(拓殖大学外国語学部教授,元東京学芸大学)。「本書は中学・高校・高専英語教師としての筆者の総決算」(iv頁)。手許のは6刷(05年)で,1年で1刷ペースだから売れている方だと思う。<p>Part 1 技の前にまず心<br>Part 2 発音指導の大技・小技<br>Part 3 リスニング指導の大技・小技<br>Part 4 スピーキング指導の大技・小技<br>Part 5 リーディング指導の大技・小技<br>Part 6 ライティング指導の大技・小技<br>Part 7 テスティングの大技・小技<p>Part立てで,全53項目の「大技・小技」が公開されている。Part 1があるのが本書のミソ,ひいては著者の本領であろう。すぐにでも使えそうな技術が満載されており,これなら本書代金は割安といえる。技術紹介に徹した点で,授業運営全般の手引きとして初任者に人気のある田神善浩(編)『中学英語の授業開き』(明治図書)の欠を補うものであり,とくに初任者は両著併用が好ましかろう。精神論に堕することなく,徹底して技術の公開に努めた著者に敬意を表したい。
高校の英語教師です。もう10年以上働いてきましたが、この本を読んで今までの授業がいかに無味乾燥か思い知らされました。<br>同時に、工夫のネタはどこにでも転がっていて、どういう発想のもとに自分の授業を発展させていくか、その手がかりを与えてくれた本です。<p>この本で紹介されている「技」のいくつかは今でも私の授業で役に立っていますし、さらに改良した技もあります。<br>いろいろな研修にも参加しましたが、授業に向かうのが自分でも楽しくなったのが一番の収穫だと思います。まだまだ教師としても未熟ながら、向上心を忘れずにいたいものです。
著者がこれまで授業の中で取り入れてきた技が、数々のエピソードを踏まえて紹介されています。私がこの本から得たことは、著者の「わかりやすい・楽しい授業をやるぞ」といった情熱であります。紹介されてあるすべて技をそのまま取り入れることは出来ませんが、著者の姿勢に感心します。