数式は使わなくても、負の数を2回掛けると正の数になるとか、グラフの見方にアレルギーがある人は止めたほうが良い。でも、データマイニングに興味のある人や、データウェアハウスに携わる人など分析に携わる人にお勧めです。デートに成功した確率など笑えるような身近にある出来事を例にとってやさしく解説しているので頭の整理にも丁度よい。分析に疲れた人も初心に帰った内容により、これからの進む道が見えてくるかもしれません。そして、データマイニングを行えば何でも分かると言えばそうではない。むしろ、データマイニングで新しいルールを見つけても、それが現実に役立つルールであることは少ないと警告を鳴らしているので一読の価値はあると思います。
データマイニングの概念と手法が、手短にわかりやすくまとめられている。著者は「新書」の本質を知ってるね。
<br /> 従来の統計分析が“情報が高コストであった時代に確立された学問体系”であるのに対し、データマイニングは、巷に情報があふれかえっている現代に適合した分析手法だと著者は言う。
<br /> 番組を厳選しさらに同じテープに重ね録りした昔と、キーワードやジャンルをアバウトに決めてハードディスクにとにかく貯め込む今のテレビ録画の対比にも近い。あるいは一本釣りと投網漁。掘り出しもんのお宝映像が紛れていたり、海老や鯛が引っかかってたりするのがデータマイニングの醍醐味なんだろうけど、そんなことは稀。本質は無意識の部分に眠っている訳だから、あんまり意識的になっちゃダメ!でもある程度の見立ては必要!っていう二律背反っちゅーか、ジレンマっちゅーか、隔靴掻痒っちゅーか。そうそう、探すのをやめた時見つかることもよくある話で...っていう「夢の中へ」の偶然を人工的に作り出す、っちゅーかね。いずれにしても、素人にはおいそれと手が出せないし、過剰な期待も持つ訳にはいかない。でも、時たまの“不思議発見!”がデータマイニングの魅力なんだよな。
<br /> 話は変わるけど、大量の情報を記憶装置に貯め込めるようになるってことは、大仰に言えば際限なく“過去がなくなる”ってことだよね。YouTubeで過去の番組はいつだって取り出せるし、ブログを見れば他人の過去をトレースすることも出来る。街頭の監視カメラに捉えられた人々の行動は日々蓄積されていく。
<br /> あと、アマゾンのウェルカムページの話があったけど、あれって、“こういう本を買う奴って見られてる自分、こう見られてる自分”の可視化だよね。気味悪くもあるが面白くもあるよな。
私も文系という言い訳のもと、書籍の中に数式を見るだけで、
<br />思考停止してしまうので、飛びついて買いました。
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<br />私個人的な感想では、回帰分析、クラスタ分析など、
<br />数式を使わずに、丁寧に分かりやすく説明を書いてあり、
<br />前半は、納得と満足をかみ締めながら読み進んだが、
<br />あと一歩細かく、具体的な手法論などに触っていただけると
<br />よりよかったような気がします。
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<br />後半は、失礼ながらデータマイニングとは関係のない話に
<br />終始し、ちょっと物足りなさを残した読了でした。
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<br />興味をまず持つという目的なら良い本ですし、
<br />是非続編が出て欲しい一冊です。
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<br />第1章 隠れた法則を見つける技法
<br />第2章 ビジネスで使われるデータマイニング
<br />第3章 データマイニングの手順
<br />第4章 落としどころを探る―回帰分析
<br />第5章 効率的に判断する―決定木
<br />第6章 分けることは分かること―クラスタ分析
<br />第7章 複雑な分類―自己組織化マップ
<br />第8章 買い物かごの中身は?―連関規則
<br />第9章 神経をまねしてみる―ニューラルネット
<br />第10章 データマイニングと情報管理
<br />第11章 監視社会とデータマイニング
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