ガウティはたしかに宗教のために大聖堂をつくりたかつたのでしょう。
<br />それはピラミッドのように長く生き続けてほしいと願ったのかもしれません。
<br />いまなお完成しない、おそらくこの建造物は完成することはないでしょう。
<br />つぎに引き継ぐ者がいずれガウディ本人との関わりの無い者に引き継がれるからだと思います。伝言は多様に解釈され、あのなんともいえない形をわたくしが見たとき。
<br /> これは、永久に完成してはいけないガウディの作品なのではないかと
<br />おもいました。 建築とかに惑わされずただ読み物として価値ある一冊だとおもいます。
<br /> ぜひページをめくりあなたの心をめぐらせとみるのもいいかもしれません。
ガウディが残したメッセージを受け継いで、
<br />サグラダ・ファミリアの建築を進める職人の言葉である。
<br />
<br />サグラダ・ファミリアという名前を知らなくても、
<br />ガウディという名前を知らなくても、
<br />どこかで一度くらい目にしたことがあるのではないだろうか。
<br />
<br />その名前は知っていても、
<br />そこに残されたメッセージを知るのはまた少ないのではないだろうか。
<br />
<br />28年間、ガウディが残した建築に携わり、
<br />そのメッセージに触れてきた者の語る言葉はどこかしら不思議な重みがある。
この本を読むまでの私の知識は、サグラダファミリアという
<br />とてつもない教会をガウディという人が設計して、
<br />きっと私が死ぬまでには完成しないらしい。
<br />そして「違いの分かる男」がそこで主任彫刻家になっている。
<br />…というものでしたが、
<br />「違いの分かる男」が語る本書には、グイグイと引き込まれ、
<br />一気に読み切ってしまいました。
<br />
<br />あのトゲトゲの形がどんな意図と方法で造形されたのか、
<br />建設の過去と現状はどのようなものか、
<br />そしてガウディとはどのような人であったのか。
<br />どれもこれも興味深いエピソードです。
<br />
<br />この本は、当たりでした。