この本の凄さeccentricityの一端を6章以降の論理展開にみてみよう。先ず、著者の引用する「週刊現代」の記事によれば、日銀と財務省には将来のインフレ・ターゲッティング政策の導入に関する密約があるらしい。またこの政策によって賃金上昇以上に物価が上昇することが有り得るため「庶民の生活は苦しくなる」とされており、インフレ率とトレード・オフの関係にある失業率をどうみているのかは不明lack of foresightである。また、何故かは知らないがincoherently、金融緩和を実施しても「それ以上に」債券安になることがあるとし、その結果「日本経済はもたなくなる恐れがある」とする(pp.215-217)。さらに著者によれば、インフレ・ターゲッティング政策は、日本経済の本質的問題(ヤクザ・リセッション)の解決を先送りにし、ひいてはハイパー・インフレーション(1日若しくは数時間単位で貨幣価値が変わるようなインフレのことで、標準的な定義では年率13,000%以上のインフレ)をもたらして「一般国民の生活は崩壊collapseしてしまう」らしい(p.256)。しかしながら「貨幣の改鋳」については数少ない日本の選択肢のひとつであるとされており(pp.260-261)、それ以前の議論との論理的整合性が凡夫の身an ordinary manには理解できない。このような議論の展開や論理の奇抜さは正に香ばしさrotten smellを感じさせるものだと言えよう。
<br />
恥ずかしいことですが、この年になるまで、この国の現実がまるでわかっていなかった。
<br />目から鱗がはがれ落ちる思いです。
<br />
<br />フルフォード氏の明快な論理には、うなづくばかり。
<br />一人でも多くの人にこの本を読んで欲しいと思います。
そしてこれからの<br>十年は一体どうなるのか?<p>その答えが本書に明確に描かれています。<p>ベンジャミン・フルフォード氏と出版した光文社の姿勢には喝采を送りたいと思います。