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ニュー・リッチの世界 The New Rich World ( 臼井 宥文 )

富裕層という言葉が使われだして久しい感覚もある。 <br />この書は、実体が分かりにくい富裕層について、国内外の比較とともに将来的展望も投げかけた貴重な一冊です。 <br /> <br />しかし、富裕層の実体を紹介する点においては優れているものの、将来に対する提言や見解は、 <br />いささか甘いものがあると言わざるを得ない。 <br />「日本は富裕層への反発心が強い」と述べているが、これは現時点では当然であろう。 <br />貧乏人の僻みと一蹴するのはいかがかと思う。 <br />なぜならば、富裕層以外の国民の多くが最近、将来に対して強い不安感を抱いているからだ。 <br /> <br />正社員の減少と派遣社員の増加。雇用システムが変化崩壊していく中で、その日暮らしを <br />余儀なくさせる人々が増加する一方で、繁栄を謳歌し、一生かかっても使い切れない富を手にする富裕層の増加は、歪んだ社会構造にも思える。 <br /> <br />しかも富裕層は、大衆から金銭を稼いで富を得たケースも少なくないので、その富の還元をもっと行うべきだと多くの人も感じていよう。 <br />いみじくも著者自身が、キリスト教などから引用して、富の還元の重要性を指摘している。 <br /> <br />この書は、富裕層の実際を紹介する点においては貴重な本であるが、一方的に富裕層だけに焦点を当てて物事を見ている点は、片手落ちであろうと思った。 <br />物事を深く洞察できていない点がある故に、著者の提言するプランも蜃気楼のようにさえ感じられた。

噂の富裕層雑誌セブンヒルズの臼井氏の本と知り読みました。縁遠いと思っていた富裕層の世界について詳しく分析してあり、よくわかります。今日ニューリッチが欲しいものが明日の大衆の欲しい物になる。新富裕層を深く洞察する事でビジネスと社会が見える。日本は世界のお金持ちが魅力を感じるどころか国内の富裕層も流出してしまう寂しい国。問題点 課題 具体的な提言が新鮮でした。ネガティブな下流社会や格差社会の本が多くみられますが、富裕層がお金を使いやすい環境、体制 国作りをして彼らのお金を流通させる事は実践的だし夢もあると感じました。世界中のお金持ちが集まるモナコを日本も目指そうというのも面白かったです。 <br />ユニークな視点で明日の日本の為にヒントのある本だと思いました。

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