|
| 他諺の空似 ことわざ人類学
(
米原 万里
)
主な内容は権力批判。時間がなかったからか、以前より訴えがラディカルになっている。ホントかな?と思うところもなくもないし。その妥当性はさておいても、タイトルから期待した内容とは違った印象を受ける。
<br /> 冒頭の小噺は面白いが、以前の名作と較べると…。 マリーこと米原万里さんの遺稿。世界のことわざに類似のものがあり、ことわざで世界がつながっていることがわかる。その引用されたことわざの多彩さに、マリーの博学さに驚く。それ以上に驚くのは、各章のイントロに紹介された、たぶん、マリーの創作とおもわれる小噺。これが、すごいエッチ。いやあ、女性作家とはおもえないあけすけで豪放な、スケベ噺。やはりロシア専門家ゆえか。著書に「ガセネッタ&シモネッタ」という快著があるだけある。この小噺だけ読んでいても、おもわず笑えて、ストレス解消になる。あと、時の権力者、小泉さんやブッシュさんへの批判も辛らつ。米原さんの人柄がしのばれる一冊です。 タイトルに書いた事柄すべての先達、先生として、これからもじっくりと時間をかけて米原万里氏の諸著作に愉しみ、学び、考えたいと思います。
|