あえて学生丸出しで書いてみます。
<br />
<br /> 学生的に、この本の最大の利点は「さっくりまとまっ
<br />てる所」でしょう。論点や込入った話は殆んど一切注に
<br />回してあります。なので「会社法ってなあに?」レベル
<br />の人間でも本文だけさらっと読んで、それなりに分かっ
<br />た気になれます。ページ数も非常に少ないので(他の先
<br />生の本の1/2といっても過言でない)必要な箇所だけなら
<br />飽きるまもなく読めます。文体も「さっくり」している
<br />のでよみやすいでしょう。
<br /> 一方でちょっと注にまで手を伸ばしてみる気になると
<br />記述量の少なさに戸惑うくらい記述量が少ないです。
<br />「さっくり」しすぎていてなにをいっとるのかわからん、
<br />というのが学生の本音でしょう。
<br /> ここは前田先生の「会社法入門」なり、宮島先生なり
<br />を参照するしかないと思います。分厚い本を読む前に本
<br />書を読んでおくと「何がかいてあるのかわからん」とい
<br />う最悪の事態は避けられるでしょう。
<br /> 本書自体実はレベルの高い基本書ですが、学生にとっ
<br />ては、他の基本書への橋渡しとして先ずは使ってみる本
<br />だと思います。
昨年改正された新会社法の定評ある基本書。331ページのコンパクトな一巻に、会社法の基礎的な概念から、近時の問題点に至るまでが網羅的に解説されており、会社法の全体を把握し、体系を理解するには格好の書。但し、簡潔すぎる余り、論点も数行で総括されているなど、会社法の素養のない層には、読破も苦痛ではなかろうか。そういった意味では、会社法についてある程度の素養があり、全体を確り体系化したいという層におすすめの書。
学生も,会社の法務担当者も,昔とったライセンスで左翼弁護を続けている昔気質の弁護士さんにとっても本書は会社法を理解するベスト版と考えられる.
<br />間違えても,岩波新書の「会社法入門」のほうには手を出さない方が良い.
<br />本書は重要判例,最新判例をポイントをつかんで記載しており,最大限書かれた会社法の概説書とはいえないにせよ,最低限必要なことはほぼもれなく網羅されている点でかなりの水準と思う(かつての鈴木=竹内による有斐閣法律学全集に事実上匹敵する水準である).
<br />神田教授と同世代の「気鋭」の学者や法務官僚によるならまだしも,はたまた弁護士による(内容面で信頼できない)促成栽培の出版が華々しい現在,おそらく現時点出版されているものではもっとも信頼性がおけると思う.
<br />数百ある会社法の解説書で一冊選べといわれたら,迷わず本書を買うべき.
<br />鈴木竹雄の「会社法」(弘文堂版)時代に比べると隔世の感があるのは私だけだろうか?
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