地域ブランドの重要性について、わかりやすく理解できる本。
<br />前半はよく整理されており、ブランドとは何かや、地域ブランドの重要性については確かによくわかります。ただ、後半部分で実際にどうやって作っていったらいいのかについての記述が少なく、食い足りなさが残りました。え、もう終わりなの、って感じです。もう少し手法について突っ込んだ内容があればより良かったのではと思います。
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地域ブランドは私の一番のテーマです。
<br />しかしながら、近年、単なる特産品をつくればそれで、「地域ブランド」ができるという ブーム?のようなものがあるけれども、それは間違ったブランド認識です。
<br />本書は帯にある通り、「いちばんわかりやすいブランド論」です。地域ブランドを「観光地ブランド」「特産品ブランド」「暮らしブランド」と3つに分けて分析している視点がいいですね。それと、内部(インターナル)の信頼がブランドを本物にするという視点も同感です。
<br />特産品ブランド・観光地ブランドは作りやすいでしょうが、本当の地域ブランドである「暮らしブランド」をどう作っていくかについては、物足りなさを感じましたので、星4つです。
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「夕張メロン」というブランドを持った夕張があのような状態になり、ブランドだけあっても生き残れないのかもしれない、と思っていた矢先、本書の案内を見ました。地域ブランドというものがどういうものであり、何をすれば本物を作れるのかが理解でき、やはり正しい、かつ強いブランドこそがこれからの自治体経営を救うのだと確信。これからの時代、各自治体はライバルであり、本当は他のまちの関係者には秘密にしておいて、わが町だけが実践したい内容ではあるが、「地域ブランドが日本を救う」という副題に敬意を表し、日本全国でまちづくりをしている人々に勧めたいと思います。