本書は、まさしく「ただ今、青春謳歌 現在進行形」を肌に感じるものだ。
<br />一世代前のバックパッカーといわれる海外紀行本は、貧乏旅行をメインテーマとしており、いかに安上がりで長旅を続けるかといったところに注目を浴びたものだった。
<br />本書は、こういったバックパッカーの姿が変わっていることを示している。
<br />つまり世界に混ざりこんで同化していくという旅の姿から、うって変わって、むしろ中に飛び込んで行って、世界が自分中心に回っているのだという旅の展開が感じられた。
<br />それは、今の若者の典型的なスタンスだろう。
<br />自分自身がいるから、自分自身が参加するから、結果的にこういうことを世界にアピールできたというものだ。
<br />ただ、「そうだから、それがどうしたんだ」という行動に対する理由(オチ)という面で理解に苦しむところがあり、結局のところ、何が言いたいのかがプアーだ。
<br />ただ、ロマンを追い続け、時間に限りがない若者だけの特権として、エールを送り続けたいと思う。
「旅」について、こんな旅のしかたがあったのか!と笑わせてもらいながら再考させられる本。いろいろな旅ガイド本があるが、そこに書いてあるような“フツー”の旅よりも、体当たりでぶつかっていき、その場所その瞬間でしか得られないONLY ONEの体験。だからこそおもしろいし、一個一個が濃い。読んだあと、すごく旅に出たくなった。
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