昨今のスピリチュアルブームの勝ち組の代表格が江原啓之氏を中心に取り上げて批判することで本を売りたかっただけなのか、中身があまりにも薄い。ページ数も少なく文字も大きく、おそらく急いで書き上げたものとお思います。
<br />江原氏を批判するのであれば彼が英国で学んだスピリチュアリズムの源流であるシルバーバーチを取り上げる必要があるし、そのシルバーバーチに和風(先祖霊など)の味付けをしているのが江原氏であると言う事が分かるはず。また、この本には江原氏を指して「自ら作った因果の法則」とあるが、とんでもない間違いでゴータマ・ブッタは因果の理法を最初に言っているしキリスト教の聖書には有名な「まいた種は刈り取らねばならい」も因果の法則と同じである。また、ジェームスアレンもスピリチュアリストではないが「原因と結果の法則」との題で欧米では100年以上も続くロングセラーで因果応報について説いている。けっして江原氏のオリジナルではない。
<br />これらのことにはまったく触れず表面だけをなぞり、しかも江原氏以外の前世や守護霊やカルマを語る何人かの登場人物がこの本に出てくるが、巧妙にも同じ事を語る大御所の細木和子が出てこない。これはテレビ出演することのある著者の配慮なのか・・・
<br />この本は間違いや主観が多く、スピリチュアルブームに一石を投じることになるとは思うがその一石はほんの小石にしか過ぎない。
江原さんもなみちゃんも「自分さえ幸せになればいい」なんて
<br />説いてはいなかったと思うのですが。
<br />それはまず自分が幸せでないと、他人にも優しくできる余裕なんて
<br />生まれないから・・という根拠での発言ではなかったかと。
<br />特に江原さんは自己中心に走りがちな人たちへの手厳しい発言も
<br />多いですから、これは的外れだと思いました。
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<br />(私は前世や霊は気にしない人間ですので感想もノータッチ)
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<br />女性向けの本にありがちな
<br />「成功=ブランド好きのリッチになること」って決めつけはどうよ?
<br />という辺りは鋭いな、と感心しましたが。
<br />あと佐藤富雄さんは私的にはスピリチュアルではない・・と思います。
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<br />読者も著者が思うほど浅墓ではなく、
<br />何でも本に決めてもらうワケじゃなし、
<br />異常なほどのめり込む人はそれこそ少数では?
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<br />どうせこういう本を出すならシンパとアンチ両方の意見も
<br />調べてみてほしかったと思います。
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<br />ただ発行のタイミングを読む力は大したものですw
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精神科医の香山リカについては、私は、大昔の音楽誌『フールズ・メイト』の頃からその文章を読んでいる。失礼ながら、以前はそれほど好感をもっていなかった。だが、近年、あくまでリベラル派・良識派として発言を続ける彼女には敬意をもっている。
<br /> 本書は、近年の日本で、希薄にだが広く浸透し続けている、所謂「スピリチュアリズム」に関するもの。生き返りなどへの信仰、江原啓之ら代表的論者の分析、独特の現世主義や利己主義、社会への関心の低さといった点が論じられる。
<br /> まず驚かされるのが、現代の特に若者などが、噂には聞いていたが、生き返りや霊界、「オーラ」といったものを希薄に信じているらしい点。私は、文化としての宗教や神秘主義には関心があるが、通俗的オカルトは当然ながら支持しない。江原らは、確かにいいこともいっているとは思う。だが、こうした状況は危険ではないかという香山の意見には全く同感だ。
<br /> 香山に対し、社会思想などにくわしくないといった「批判」があるらしい。しかし、私の意見では、これは「逆」だ。多くの論者は、瑣末な教養的・理論的な話を延々と続ける。だが、私が真に怖いと思っているのは、むしろ、大衆社会における表層的な諸‐現象である。それは、まさにオウム真理教などを見てもわかる。香山は、一貫してこの問題に敏感な人なのだと思う。