嘘に関する短いエッセイをたくさん並べたものです。
<br />最初のうちはごく当たり前の意見も多く、退屈なところもありましたが、後半になると常人では考えられない著者の経験に根ざした面白い話が多く、一気に読み進んでしまいました。
<br />特にマスコミが作り上げた常識的な考え方が、実は嘘であるとの指摘には、考えても見なかった視点だけに目から鱗でした。
アウトロー作家として有名な白川氏の作品は、その無頼な生き方をベースとした多くの人生経験を有しているだけにとても面白く、期待を持って購入した。
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<br />本書は前半部が「嘘」について著者の考えが書かれているが、「嘘も時には必要」のような趣旨のことばかりで、はっきり言って社会人であれば常識的に知っていること(感じていること)で残念ながら特に面白いとは感じる部分は少なかった。
<br />このため、途中で読むのを止めようかと思ったが、実体験が中心に記されている後半から一気に面白くなり、最後まで一気に読んだ。やはり、著者のような無頼派はその実体験こそが作品の面白さのベースであり、一般論的なものではその良さが活きてこないのであろう。
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<br />昔の先物取引の実態については、かなり酷い話が多く、必読である。
新書戦争もますます激化しておりますが、
<br />その中で、ついに幻冬舎も参戦とあって、興味を持ちました。
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<br />著者の白川氏の小説は、何本か読んだ事があり、
<br />その骨太なテーマや語り口に好感を持っていました。
<br />テーマも面白いと思って読み始めたのですが、
<br />ちょっと食い足りない感じを覚えました。
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<br />氏の体験談を語っているところは、非常に面白い。
<br />さすが、アウトロー、無頼派の作家だけあって、
<br />その波瀾万丈な体験談は、読んでいてワクワクします。
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<br />けれど、
<br />テーマに沿わすカタチで「ウソ」についての理論を展開しだすと、
<br />急に面白みのない文章になってしまっています。
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<br />まっとうというか、面白みの無いというか、新しさの無い意見を
<br />だらだらと続けているところは、ちょっと、呑み屋でくだをまくおっちゃんのようです。
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<br />邪推かもしれませんが、
<br />ひょっとしたら、呑みながら話した事を編集者がまとめたんでは?
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<br />氏の小説が好きな分だけ、落胆しました。