諜報・防諜といった情報の扱いの重要性をめぐる対談。本書ではそれを「インテリジェンス」という言葉で表している。緊張感あふれる、大変さわやかな対談である。一気に読み終えた。興味深いエピソードも詰まっている。つまらない要約はしないで、小見出しを拾い出してみよう:
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<br />・情報のプロは「知っていた」と言わない
<br />・死刑と引き換えに愛する女たちを救ったゾルゲ
<br />・大規模テロを封じた英情報機関
<br />・イラク情報で誤った軍事大国アメリカ
<br />・「2つのイスラエル」を使い分けるユダヤ人
<br />・仕組まれたゴルビー訪日延期
<br />・大韓航空機撃墜事件をめぐる「後藤田神話」
<br />・情報の手札をさらした日本、瞬時に対抗策を打ったソ連
<br />・日本のカウンター・インテリジェンス能力は世界最高レベルにある
<br />・「平壌宣言」の落とし穴
<br />・「推定有罪」がインテリジェンスの世界の原則
<br />・腰砕け日本の対中外交に必要なのは「薄っぺらい論理」
<br />・記録を抹殺した官僚のモラル
<br />・インテリジェンス機関の創設より人材育成を
<br />・ヒューマン・ドキュメントではない「命のビザ」の物語
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<br /> 対談の始めのほうに、手嶋氏の小説『ウルトラ・ダラー』は、ある国家または国際組織の依頼で書かれたのではないか、という指摘がある。それに対して手嶋氏はこう答えている。
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<br />「あまりにも機微に触れる癖球で、何ともコメントのしようがありません。」
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<br /> この対談自体も、多かれ少なかれ、そういった背景があるのかも知れない。
二人の著者が互いに相手を褒め、持ち上げ合うところが、どうにも気持ち悪くて辟易しました。とはいえ、内容は非常に面白く読めました。気持ち悪さで星マイナス1(笑)
日本を代表する外交ジャーナリストと、元”外務省のラスプーチン”が、
<br />国家間の”情報(インテリジェンス)戦”の実態について語り合った。
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<br />中東戦争、大韓航空機撃墜事件、ベルリンの壁崩壊、湾岸戦争、911テロ……
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<br />などなど、現代史の重大事件の裏側で、各国がどのような情報戦を繰り広げていたのか。
<br />それが生々しく語られる。
<br />これまでの自分の見方が次々と覆され、目からウロコがぼろぼろ落ちる…
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<br />とはいうもののこの2人、揃って”食えない”!
<br />どこまでが真実で、どこからがブラフなのか?
<br />読みながら疑心暗鬼にさせられ、この本を読んでいること自体が、
<br />どこかの国の情報機関に乗せられてるんじゃないかと疑いたくなる。
<br />この本の存在そのものが、”情報戦”!