指摘されている通り、後半はROCK JET(それもわりと最近の)記事の転載が多い。
<br />あと、高い。
<br />250頁で3000円はナシだろ、と。
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<br />それでも評価を高くしたのは、日本のプロデューサー、ガードマンといった人たちにインタビューし、
<br />貴重なエピソードを明るみに出した斬新さを買って。
<br />あと、右近健一さんの解説素晴らしすぎです。
<br />この本の音楽的内容面の大部分を彼が一人で担っている。
<br />「ホットスペースでフレディは新境地を開拓し、カインドオブマジックでこのスタイルが極まった」というくだり。
<br />コレ読んだときには、うなづきつつ膝打ちまくりですよ。
<br />自分や周囲のファンでは常識の事柄だったんですが、なかなかそういうことを言ってくれる方が見つからなくて。
<br />マイベストチューンにJealousy挙げるところもサイコー。
<br />マジでこの人、ボクのソウルメイトですわ。(←迷惑)
11月に映画として公開された彼の人生を振り返るDVDの発売と期を一にして発売された商魂たくましい一冊(笑)
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<br />同出版社からの同シリーズで「クイーン・ファイル」なる良質の一冊が既発なだけに、やや水増し的な内容になるのではないかと気にしていたが、やはり内容の3割近くは「ROCK JET」というムックからの転載であった。
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<br />ただ、内容的にはプロモーターやボディガードなど、生前のフレディの身近にいた人たちへのインタビューなど、新規の文章も多く、水増しといえども、ファンとしては初耳(初見)の内容も多いので、買って損はない。そういう意味で星は平均の3つ。
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<br />ただ、やはりこの価格にしては水増し感があるのと、これはクイーン本全般に言えることだが、キャラクター的な面白み以上に音楽性に切り込んだ専門性が薄い。フレディにしたって、ロック・ファシストという特異なキャラクターとしてではなく、極めて良質の楽曲を書き、アレンジするミュージック・クリエイターとしての抜きん出た才能も大きい。そのあたりをジックリ解説してくれると尚良かった。
結構、分厚い本ですが、表紙の写真がいまいち。この写真を選んだ理由がわからん。中の写真も目新しいのが少なく、ちょっとがっかり。フレ様個人名で売り出すからには、コアなファンが見るってことわかってるのかな。
<br />年代別、カラー・フレ様ファッションの変遷とか、ステージ衣装オンパレードくらいあってもいいのでは?
<br />で、星一つマイナスさせてもらいました(甘っ)。
<br />生い立ち関係は、サラっと流す程度ですが、これは、もう、よくわかっているのでこんなもんでいいとします。
<br />あとは、いろんな人の証言や、ゆかりのある人のフレ様への私観、フレ様へのロングインタビュー、フレ様のソロ作品やQueenの作品の解説、最近のスイスでの還暦祝いのイベントレポートなどが載っています。中には、他の雑誌の抜粋もあって、これ、もう読んだってのもあった。
<br />でも、ボディーガードのIさんの話や、写真家のMKさんの話、ガーデンロッジの日本庭園を作った方の話(写真も)、日本への架け橋となったKUさんの話は、具体的でおもしろかったです。
<br />Iさんが、むくれたフレ様のことを書いていらっしゃるところは笑えます。
<br />KKさんのフレ箱やQueenの作品への解説は、愛にあふれていました。フレ箱のなかの、インストゥルメンタルCDのフレ様のピアノ、聴きたいですねえ。
<br />ETさんのフレ様作品の解説も、すごくわかりやすかった。「ソロシングルは、フレ様の声とボーカルを楽しむためのもの」というくだりは、まさにぴったりきます。
<br />フレ様への愛ある人の言葉は、わかる!
<br />そういううれしい共感があったので、買ってよかったと思っています。