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| 204号室の恋
(
砂原 糖子
)
描写が上手いとか、キャラが立っているとか、ストーリー展開が面白いとか、色んな特長の影に隠れてあまり言われませんが、
<br />砂原作品のエッチシーンは、けっこう、かなり、すぐれていると思います。
<br />BLのエロ描写には「濃い」「強烈」「激しい」などの形容詞がつきがちですが、砂原製エロは「しみじみ」なんですね。
<br />心に染み入るいやらしさというか。一見地味に見えてあとからじわじわ来るエッチ、みたいな。叙情派エロ(?)
<br />もちろん、ストーリーもとてもよかった。ワンパターンを避けながらも、BLの王道を外さない努力は毎回すごいと思います。
<br />主人公カップルのどちらかが女性との結婚に絡む話はありがちですが、本作はひとひねりしてあります。
<br />女の子がイヤな女じゃないのもいい。彼女も幸せになってほしいと自然に思えました。
<br />この結婚のエピソードを基点に了の印象がぐるりと回転します。
<br />天衣無縫な芸大生から「一人ぼっちで生きてきた青年」へと、鮮烈にイメージが切り替わるのが読んでいて気持ちよかった。
<br />書き下ろしの、思い込みによる誤解とすれ違いという王道設定も、展開に無理がありません。
<br />「いくらなんでもコミュニケーション能力低すぎでは!?」とつっこむ必要もなく、「こういうことってあるよね」と深くうなずいてしまいました。
<br />信楽焼のタヌキがコミカルで温かい手触りをストーリーに与えて、いい味出してます。
<br />次はユキヤのお話でしょうか。期待してます。
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