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| 東京懐かしの昭和30年代散歩地図
(
ブルーガイド
)
巷には、昭和30〜40年代の街角を撮影した写真集が色々と出版されてきていますが、本書はそれら写真集に加えて当時と現在の地図も収録されているのが、一番の特色だと思います。ご存知の通り、東京山手線区域内では、現在の地下鉄と入れ替わる格好で昭和30〜40年代都電が、縦横無尽に網の目の如く張り巡らされており、当然写真でも端端に彼らを見つける事ができるのですが、本書で地図を見ると路線図にて彼らの存在感を感じずにはいられないでしょう。巻末には、当時の国電、私電路線図と共に、路面電車の路線図もあり、やはり現在の都バスとは別格の存在感があります。またおまけで当時のテレビ欄1週間分も掲載されています。
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<br />その他、本書の特徴として銀座、六本木、千住、錦糸町・・街毎に掲載されているのも特色で、例えば三越前の高級感やコマ劇前の夜のネオン等今に通じる街の特色ある発展を、当時から垣間見る事ができます。特に新宿、池袋辺りの都会は、写真も見ごたえがあります。その他エリア毎の編集なので、過去に自分が住んでいた街を見比べる楽しみもあります。十何年も住んでいる場所なのに、過去に米軍専用の線路がこんなところにあったんだ?などという「個人的スーパートリビア」もありました。
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<br />当時は既にカラーテレビも普及され始めた頃ですから、できればカラー写真で見たかったです。敢えてモノクロで味を出す手法もありでしょうが、カラー写真集での出版が殆ど見当たらないのが現状ですね。
<br />この価格は、ボリューム面から見ても良心的と言えるでしょう。
企画そのものはどこかで見たような気もしましたが、いざ本を開いてみると、類書よりも昭和30年代の世相や写真などを丹念に拾っていて、地図ともども、時代をよくとらえた編集に好感が持てます。また町ごとに添えられたエッセイも、当時と今の両方をよく知る人が書いたと一目で分かるもので、安心して読めました。こういう本なら、何冊でも買いたいですよね。
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