小田さんの中国についての本は、出るのが待ち遠しくて、いつも楽しみに読んでいます。
<br />どちらかといえば、私は現代の中国は嫌いなほうで、今の中国に関する様々な本を読めば読むほど、その気持ちは強くなるのですが、でも、小田さんの本を読めば、ほほえましく楽しい気分になって、中国行ってみようか、って気持ちになるのです。小田さんが、日本のことも中国のこともどちらがいいとか悪いとか、主観的、批判的に見たり決め付けたりしていないから、こんなに愉しく読めるんだなあ、と思います。ふつうにみて、ふつうに感じたことを、親しみをこめて伝えてくれるのが素敵です。
中国通を自認する著者による、大変役立つ中国・香港情報の数々。
<br />「この習慣は日本人から見ると変だけど」(いや、僕は日本人だけど変だと思わないよ。「自分イコール日本人」って考え方はちょっと乱暴じゃないか?)、「これがわかればあなたも香港人!」(別にあなたに認定してもらわなくていいから)、「飲茶でビールを飲む日本人は、寿司屋でコーラを飲む香港人を笑えないのでそのつもりで」(へえ、ご親切に忠告ありがとう。つまりあなたはどっちのことも笑うわけだ)
<br />自分を基準にしない、誰かのやりかたが自分と違っても(たとえ奇異に思えても)簡単に否定しない、これらは特に外国人と接するときの大前提なんじゃないだろうか。こういう人に日中友好とか語ってほしくないと強く思った一冊だった。
空さんのいいところは、中国を公平に愛しているところです。中国は広いので、一箇所に長く住んでいるとそこだけがよく見えてしまいがちですが、空さんはちゃんとその他の場所も公平に愛しています。中国人に対しても深く知ろう、そして愛そう、つらい時は笑っちゃおう、というとても好感が持てる姿勢で正面からぶつかっていっています。これからもずっと中国と関わって、中国に関する本を出版し続けてほしいです。