旅行者向けガイドブックというと,大抵都市・地域別で,観光と旅行に必要な情報で手一杯である. また,国別紹介書・入門書の類は概して,政治史や現代経済の状況に関心の中心が置かれている場合が多い. 対して,本書は,インドを観光という観点を基調にしながらも,音楽,舞踏,建築,食等々といったテーマごとに分類して記述がなされている点が第一の特徴である. しかも,各テーマの記事は,わかりやすくしかも適度に詳しく,信頼度も( 少なくとも『地球の歩き方』シリーズの一冊としては )少なからず高いようである. この一冊に目を通すことで,観光の対象としてのインドについては,かなりの理解を得ることができるのではないだろうか. あえて何をいうならば,各記事にせめて2倍程度のページ数を割いて欲しいということであろうか. あまりにも,分量の少なさゆえに概括的な紹介に終始してしまい,執筆者の教養・知識がいまひとつ生かされていない感は残る.
海外旅行ガイドを20年近く出版し続けてきた「地球の歩き方」編集部がインドのカルチャーについて概観できるようにと編み上げた一冊です。旅に携行しても構いませんが、私は旅に出る前にかの地を少しでも身近に感じられるようにと手にしてみました。<p> インド入門書の類いは世に数多く出ていますが、そうした類書との最大の違いは掲載されているカラー写真の豊富さでしょう。<br> タージ・マハルをはじめとするインドの世界遺産の数々をとらえた巻頭写真がいきなりインドへの旅にいざなってくれます。<br> <p> ヒンドゥー教やスィク教などインドの多宗教から、映画・音楽・文学・舞踊・建築・工芸といった様々な分野について概説してくれているので、この本がきっかけでインドのある一定の分野への興味が!増すかもしれません。