大御所ドラッカーのエッセンスということで、タイトル
<br />「みずから変化をつくりだせ」に惹かれて読んでみました。
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<br />小手先のノウハウでなく、マネジメントという思想、
<br />フレームワークを丁寧に、わかりやすく説いた書でした。
<br />ドラッカーの書籍や論文からの抜粋だそうですが、歴史、経営学、
<br />経済学、組織学、経営管理など、多岐にわたった分野を統合して、
<br />単なる管理監督ではなく、マネジメントという確固たる思索、思想
<br />お感じ取ることができました。
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<br />イノベーションと起業家精神、さらに、起業家とマネジメント
<br />の項も注目して読めました。付録の金融サービス業に関する
<br />論考は、書かれた時期を考えると、ドラッカーの先見性に
<br />驚きます。
<br />事例として、米国欧州の企業はさることながら、日本と日本企業
<br />にむけられた熱い視線も感じ取ることができ、うれしくなります。
本書は、数多くのドラッカーの著作からテーマを絞って抜粋したものです。
<br />ドラッカーは本当に沢山の著作がありますので、全てを読む時間のない方にお薦めします。
<br />また、抜粋ではありますが、似たようなテーマで書かれた書籍を読むよりもずっと手応えがあります。
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<br />これでドラッカーのエッセンスに興味を持ち、更に深く知りたくなった方は、
<br />大著「マネジメント 上下」をお薦めします。
<br />エッセンシャル版でも良いのですが、やはりドラッカーの真髄はここにありますので。
<br />さらに、「イノベーションと企業家精神」もお薦めです。
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日本人の悪いところはマネジメントを理解していないこと。<br>マネジメントはアドミニストレーションとは違う。<br>ドラッカーの本書では、マネジメントをより具体的な行動規範<br>へと昇華させ、企業戦略の内的要因の原動力と位置づける<br>点に、実践的な面を感じる。<br>読み返してみれば、また新たな発見があった。