企業の現場におけるファシリテーションのあり方が、リアリティある物語に載せて紹介されています。ファシリテーションの技術などについては、同じく日本ファシリテーション協会から出ている”問題解決ファシリテーター”(←ファシリテーションのポイントが丁寧にまとめられている良著です)がベースになっているが、そこにさらに「現場でありがちな上席メンバーの参加にともなうやりにくさ」などの問題がからんでおり、自分が問題解決にリーダーとして取り組む際の参考になりました。
<br />ただ、この本には現在注目されつつある、組織の自己組織化的な要因(ファシリテーターが場を設定すれば、参加メンバー同士が主体的に問題解決に動き出す原理や手法)があまり紹介されていないため、こういった側面をAIやOSTといった手法関連の書籍で補完できればいいかと感じます。
組織や事業の変革にファシリテーターを強力な武器にすることはできるでしょう。そのイメージトレーニングに役立つ本だと思います。実際のファシリテーションの場面にもリアリティを感じます。
<br /> もし、自分がファシリテーションを担うとしたら、現実に必要になる道具の10倍分くらいは抽斗を持つ必要があります。最低限で安心せずいつも抽斗を増やし続ける努力をしておかないと間に合いません。ストーリーを読んで追うだけであれば簡単そうに見えてしまいますが、実際の場面で「次にどのタイミングで何をするか」を選択し準備し成果を上げることを想像すると胃液がこみ上げてくるほどの緊張を感じます。
<br /> リアリティについて考えると、ファシリテーションを行う主役の登場人物よりも、彼女に大きなミッションを持たせて最後まで梯子をはずさない社長の存在のほうが興味深いところです。ファシリテーターという道具を使って物事を成功させるには、使えるだけの能力と意志を持った人を逆に選ぶ必要があるかもしれません。
何のお薦めで読んだのか忘れたが、仕事をしている人には全員読んでいただきたいぐらい!
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<br />特に、今後リーダーシップを取るべき立場にいる人には非常に参考になるでしょう。
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<br />特に現存のコミュニケーションスキルで物足りなさを感じている方になら、きっと1つの光明となるはず。
<br />今後は、私自身、実生活に反映できるよう、この本から学んで生きたい。
<br />本自体は「ザ・ゴール」と同じ感覚で、ドラマ仕立てで企業再生(企業成長)が描かれているので、非常に読みやすい。
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