理解していくプロセスが面白い本。ザ・ゴールのシリーズはおおむねそうだ。理解が深まり、わかったことを喜ぶことができる。
<br />内容的にはゴールドラット氏が、自ら考え出したトヨタ生産方式の考え方ではないだろうかというと叱られそうだが、話としてはそうだと思う。
訳者あとがきにも書かれてある通り、『ザ・ゴール2』『チェンジ・ザ・ルール!』を読んでもTOCが生産管理以外の分野でも
<br />適用できることがイメージできなかったが、本書を読んで初めて理解できた。
<br />おまけに、プロジェクト・マネジメントへどう応用したらいいか考えていたので、本書は最適であった。
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<br />小説形式にしたところで分かり辛くなった面ももちろんあるが、MBAの教師と生徒との間で
<br />議論する過程を楽しむことができ、すんなり理解できたと思う。
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<br />早速クリティカルチェーンを用いて現在のプロジェクトの工程表を書いてみて、
<br />自分の業務に使い始めてみました。
ザ・ゴール同様に内容は深く、様々なシーンに応用できそうな気にさせてくれる。そういう意味では「ビジネスマン向けのはげまし」小説としては一定の成功をしているように思う。しかし小説にしたことでかえって分かりにくくなっているような感じもする。プロジェクトマネジメントという無形なものを対象としているということと、結構、理屈が多い内容なので小説の調子で読んでいると何も理解していなかったなんてことになりかねない。ザ・ゴールは小説と理屈が無理なく楽しめたが、この本はじっくりとりくまないと理解しそこなう。