ストーリー物のビジネス書です。ですから、内容は簡潔ですが、なかなか使えます。
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<br />まず、章の終わりにある解説は飛ばしてストーリーを一気に読みました。1時間もかかりませんでした。その後じっくりと解説を読みました。
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<br />ストーリーと解説を別に読んだのが良かったのか、かなり頭に入りました。と、いうことは、この本の構成はなかなかナイスだったってこと…。
ライブドアの粉飾決算が話題となって、この手の本ははやっているのだが、物語仕立てにして、赤字会社を黒字にしていく姿からキャッシュフロー的経営を学ぼうというのが主題である。
<br /> 基本から会計を学び、平行して、経営術も学べるので面白く感じた。しかし、逆粉飾を見抜く力は本書を読んだだけでは充分身に付かないのではなかろうか?
<br /> しかしながら、日産の経営状態分かりやすく解説してあり、参考になってよかった。
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内容は会計の基礎で、とても読みやすくまた理解しやすくまとまっていると思います。当たり前と言えば当たり前のことしか書かれていませんが、初学者にはとっつきやすい本です。その意味では十分に及第点が付けられる本だと思いました。
<br />ではなぜ星3つか。
<br />一つはストーリー仕立てになっているストーリーがあまり面白くないこと。会社を立て直していく、という筋書き自体は面白いと思うのですが、小説風ストーリーになっているのに小説として面白くない、という意味です。小説家ではない著者の方には酷な注文?かも知れませんが、ストーリーも面白ければもっと引き込まれたことと思います。
<br />もう一つの減点は「これから先」があまり示されていないことです。「企業会計の基本的な考え方はわかった。では次は何をどう学ぶ?」と思うところで道に迷う人もいることでしょう。この点がもう少し示されていたら良かったと思います。
<br />多少辛口の星数ですが、興味のある方が読んで決して損はない本です。