ロジカルシンキングに興味があるけど、どう考えるのかよく分からない。
<br />バーバラ・ミントを読んだけれどもさっぱり分からない。
<br />そういう人はまずこの本を読破するのがよい。
<br />網羅的でありながら、コンパクトに、かつ分かりやすく書かれてるからだ。
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<br />本の概要を記すと、
<br />第1章でゼロベース(先入観にとらわれず)に、仮説思考することの重要性を説明する。
<br />第2章ではMECE(因数分解)とロジックツリー(因果関係)について解説する。
<br />第3章ではソリューションシステムとして、1、2章の考えを統合する。
<br />第4章は実際の事例を通じてソリューションシステムを実践する。
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<br />ソリューションシステム=ロジカルシンキングの具体的手順と考えてよい。
<br />また、いきなりソリューションシステムについていくのは難しいのだが、
<br />1章、2章と順を追って丁寧に解説してくれているため、初学者でも脱落せずに3章に到達できる。
<br />4章は余力があれば読んで損はない。
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<br />この本の内容を身につければロジカルシンキングの「基盤」は身につけることはできる。
<br />但し、内容が初歩的なので、この本のみでロジカルシンキングができるようになったと判断するのは危険である。
<br />各章の内容をより深く理解するために、他の関連書籍も読んでおくほうが良い。
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<br />関連書籍を順に挙げる。
<br />第1章のゼロベース思考については、「クリティカルシンキング」上巻が、仮説思考については「戦略脳を鍛える」が良い。
<br />第2章のMECEとロジックツリーについては、「戦略思考コンプリートブック」と「ロジカルシンキング」が良い。
<br />ロジカルシンキングの全貌を概観したいなら、「論理思考と発想の技術」、「思考・論理・分析」が良い。
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<br />以上の関連書籍の内容を身につけたならば、ロジカルシンキングの理論をおおむね押さえたといえよう。
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既存のマネージメント理論の枠から一歩も踏み出すことのない、非常に付加価値の低い著書だと思います。
<br />マネージメント入門書として、広く浅く概観するという意味において、有用かもしれませんが、それにしても物足りなさが残ります。
今、ビジネスマンに求められるスキルはなんでしょうか?
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<br />マーケティング?アカウンティング?ファイナンス?マネジメント?ファシリテーション?コーチング?IT?などなどいくらでもありますが、これらスキル・知識を効果的に生かすために必要なのは「問題解決力」だと著者は言います。
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<br />私達は日常的に問題解決のために必要な思考と技術を使っています。その方法論をいつでも、誰でもビジネスの現場で使えるように体系化したものが本書です。
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<br />思考方法として、自社や自部門、業界の常識に囚われない思考方法である「ゼロベース思考」。変化の激しい時代に限られた情報で意思決定していくための「仮説思考」をさらっと紹介しています。思考方法のベースとして必須。
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<br />そして、技術としてコンサル業界で良く使われる「モレなく、ダブりなく」の「MECE」(横の論理)と、因果関係を図示する「ロジックツリー」(縦の論理)も分かりやすく説明されております。ただ、もともと古い本なので出てくる事例がちょっと古いです。ただ、「痩せる」ためのロジックツリーなど、日常生活に落とした例示であったり、それはそのまま企業の収益をあげるためのロジックツリーと似ていたりと、分かりやすいです。
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<br />そして、これらを組み合わせた「ソリューションプロセス」。最後に、著者が実際に行った事例において、どのようにこれらの「問題解決力」を駆使していったのかが書かれています。
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<br />第1版は1997年に出版されておりますが、それ以来ベストセラーで多くのコンサルティング会社でも入社の際に教科書的に使われるとの事です。それくらい、汎用性があり具体性のある方法論であるという事でしょう。ビジネスマンに限らず、日常的に問題が山積しているような人は、一度本書を読んで試してみてはいかがでしょうか?